アニメ、しかも動物キャラ。よって見かけはひじょうにかわいらしいし、色彩感覚もカラフルだ。が、これと同じ物語を生身の人間で描いたら、あまりにもむごすぎて、途中で観るのをあきらめる者もあらわれるに違いない。そのための「アニメ」なのかなとも感じた。

スペインのアニメーター、脚本家、監督であるアルベルト・バスケス監督の長編第二弾。登場しているのは50体であるという。テディベアやパンダなどいろんな動物が登場するが、パンダが特別扱いされていないところに私はすがすがしさを感じた。物語のテーマは、「魔法の森に住むテディベアとユニコーンの間で古くから続く戦争についての物語」。家族関係(双子のテディベアであるアスリンとゴルディと、その親との関係性に注目)、宗教、環境、権力などに対する視線もおりこみながら、監督は反戦寓話を綴った。

黙々と戦いに打ち込む者もいれば、わかったようなことを偉そうに言う者もいて(だが逃げ腰だ)、暴力的な者も、そうでもない者もいる。ここにあるのは集団社会の実態であろう。なんのために生まれたのか、どうして戦わなければならないのか? 戦って勝った(あるいは負けた)としてその先に何があるのか? 作品は静かに、観客に問いを投げかけていく。それにしても動物たちが軍装で戦うシーンは切ない。5月25日よりシアター・イメージフォーラムにて先行公開、31日よりT・ジョイPRINCE品川ほか全国順次拡大公開。
映画『ユニコーン・ウォーズ』
2024年5月25日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて先行公開!
5月31日(土)よりT・ジョイPRINCE品川ほか全国順次公開
監督:アルベルト・バスケス
翻訳:堀江真理
提供:リスキット/チームジョイ/トムス・エンタテインメント
配給:リスキット
協力:インスティトゥト・セルバンテス東京
原題: Unicorn Wars
<2022/スペイン・フランス映画/92分/カラー/2K/ビスタ/5.1ch/スペイン語音声/日本語字幕>
(C) 2022 Unicorn Wars