映画『花様年華 25周年特別版』、日本劇場初公開から25年の時を超え、あの大ヒット作が“幻の作品”との同時上映で復活

 一世を風靡したアジアン・ムーヴィーが日本での公開25周年を記念して、実に興味深い形で上映される。メインとなるのは、あの大ヒット作の『花様年華』ということになろうか。トニー・レオンとマギー・チャンが出演、第53回カンヌ国際映画祭でトニー・レオンが主演男優賞を獲得するとともに、ウォン・カーウァイ監督の名を一躍高めた作品として不滅の評価を得ている一作だ。

 最初の舞台は1962年の香港。新聞社に勤める男と、商社の秘書が同じ日に引っ越してきて、隣人となる。ふたりは不倫の関係になっていくのだが、この話をここまで狂おしく、官能的なまでの色使いと共に発展させてゆく監督の手腕はただごとではない。63年のシンガポールで繰り広げられる風景も実に退廃的だ。何度も挿入されるナット・キング・コールのつたない(といっていいだろう)スペイン語歌唱はもちろん1950年代の大ヒット・アルバム『コール・エスパニョール』からの採用だろうが、この映画にこれほどふさわしい音楽もないだろう。相性のよさにびっくりさせられる。

 そして同時上映の『花様年華2001』は、2001年のカンヌ国際映画祭のマスタークラスにて上映されて以来、幻のままに終わっていたという短編。『花様年華』は当初、「THREE STORIES ABOUT FOOD(食べ物にまつわる3つの物語)」という、いわば三部作としてタイトルで構想されていたという。その中で、デザートという位置づけで撮られていたのが、この短編であるそうだ。ちょっとした小ばなしのような、これもまた印象に残る作品である。

特集上映『花様年華 25周年特別版』

5月1日(金)よりシネマート新宿、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、グランドシネマサンシャイン 池袋 ほか全国順次公開

『花様年華 4K』
互いに伴侶を持つ男女の心の揺れをクラシカルに描く
1962年の香港。地元新聞社の編集者であるチャウと、商社で秘書として働くチャンは同じアパートへ同じ日に引っ越してきて、隣人となる。やがてふたりは、互いの伴侶が不倫関係であることに気付き――。
2000年/香港/原題:花樣年華/英題:In the Mood for Love/98分/1.66:1/広東語/5.1ch/日本語字幕:岡田壮平

『花様年華2001』
男女に愛が芽生える瞬間を捉えたポストモダンな物語
コンビニ店主の男は、常連客の1人で、いつも空腹を満たしにケーキを買いに来る女をいつしか気にかけるようになる。奇妙な偶然が重なっていき――。
2001年/香港/原題:花様年華2001/英題:In the Mood for Love 2001/9分/1.66:1/広東語/5.1ch/日本語字幕:岡田壮平

出演:トニー・レオン、マギー・チャン
監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル、リー・ピンビン
配給:アンプラグド
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公式サイト
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