映画『OXANA/裸の革命家・オクサナ』、男尊女卑に、ゆがんだ権力者に、立ち向かった先で彼女が見たものとは

 オクサナ・シャチコというウクライナ出身の活動家(といえばいいのだろうか)を題材にしたドラマ映画。彼女は2018年に命を絶った。直前までインスタグラムに投稿していたという。SNSが当たり前の時代に亡くなったとは、ほんの最近まで生きていたことを示す。

 私は本作で初めてオクサナの存在を知った。知らなかった知識を得られるのも映画の良さだ。彼女の父はアルコール依存症だった。絵の才能を持つオクサナが家計を支えていたが、絵で食うのはすさまじく大変だ。それに教会でのトラブル、男尊女卑の風潮にも耐えられなかった。まるで運命づけられていたかのようにフェミニスト活動団体「FEMEN」を結成したのは2008年のこと。2009年、首都キーウでの会合で上半身を脱いだ。これが邦題“裸の革命家・オクサナ”にもつながっていく。2011年にはベラルーシ・ミンスクでアレクサンドル・ルカシェンコ政権に抗議。結果として待っていたのは拘束と拷問だった。モスクワではウラジーミル・プーチンに抗議、結果として重傷を負う。

 やがてオクサナは政治難民としてパリへ逃れる。が、オクサナは自ら自身の生涯にピリオドを打つ。それはどうしてか、なぜそんな幕引きになったのか。そのあたりの描写は、「ウクライナの女性活動家の物語」というよりも、「一人の悩める人間の物語」として迫ってくる。一度抗議をした者は惨殺されるまで抗議し続けなければならないのか? 命を守るために安全な地に移ってはいけないのか? 私は団体や集団で行動する人たちに全面的な共感を持つことはないけれど、「オクサナ個人」の陰影には魅入られた。監督はシャルレーヌ・ファヴィエ、主演は本作が映画初主演となるウクライナ出身のアルビーナ・コルジ。ロシア侵攻下、Zoomオーディションによって抜擢されたという。

映画『OXANA/裸の革命家・オクサナ』

5月22日(金)より、ヒューマントラスト有楽町ほか全国公開

監督:シャルレーヌ・ファヴィエ 脚本:シャルレーヌ・ファヴィエ、ダイアン・ブラッスール、アントワーヌ・ラコンブルズ
出演:アルビーナ・コルジ、マリア・コシュキナ、ラダ・コロヴァイ、オクサナ・ジュダノワ、ヨアン・ジメル、ノエ・アビタ
2024年/原題:OXANA/制作国:フランス・ウクライナ・ハンガリー/104分 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
(C) 2024 – Rectangle Productions – 2.4.7. Films – Hero Squared – France 3 Cinema – Tabor Ltd

公式サイト
https://cinema.starcat.co.jp/oxana/