ディーン・フジオカ主演のクリーチャー・ホラー作品。舞台は第二次世界大戦下のインドネシア近海。軸となるのは日本兵の斎藤(重罪を犯した)とイギリス人捕虜のブロンソンの関係だ。日本へ向かう船内に拘束されていたふたりだが、連合軍の奇襲攻撃を受けて船が沈没、どうにかして無人島にたどりつく。が、もちろん戦争上の敵同士である以上、どちらかがどちらかを殺すまで一対一の争いをせざるを得ない。が、その無人島には先住のモンスターがいた。魚の頭部と人間の体を持つオラン・イカンという魔物だ。とにかくその魔物を倒そうと、斎藤とブロンソンは争いをやめて団結する。そうしなければふたりともやられてしまうからだ。

斎藤とブロンソンは、言葉の壁を徐々に克服しながら、「同じ人間なんだよな」という感じで息を合わせていくのだが、オラン・イカンにとってのふたりは自分の陣地に勝手に入ってきて、しかもこちらを倒そうとしているヨソモノだ。身近な例で考えてみれば、自分の家で平和に暮らしていたところに、知らない生き物が無断で入り込んできて、コチラを殺そうと襲い掛かってくるようなものだ。まるでテロである。これはたまらない。それに戦争は人間の権力者たちの汚い意志で始めたものであって、オラン・イカンの知ったところではない。昔の自分なら「人間とモンスターのバトル」と捉えて「人間がんばれ」と応援したかもしれないが、今回、後味として残ったのは、オラン・イカンの哀愁である。監督・脚本はマイク・ウィルアン。共演はカラム・ウッドハウス、アラン・マクソン。
映画『オラン・イカン』
5月22日よりシネマート新宿、池袋シネマ・ロサ ほか全国順次公開
監督・脚本:マイク・ウィルアン プロデューサー:エリック・クー、フレディ・ヨー、タン・フォンチェン、鈴木ランカスター文江 エグゼクティブ・プロデューサー:YOSHI クリーチャー・デザイン:アラン・ホルト 音楽:松本晃彦 撮影監督:アセップ・カリラ 編集:リム・イェン 音響監修:アクリットチャルーム・カンヤーナミット
出演:ディーン・フジオカ、カラム・ウッドハウス、アラン・マクソン
2024年/シンガポール・インドネシア・日本・イギリス合作/英語、日本語/83分/スコープサイズ/カラー/5.1ch/原題:Orang Ikan
配給:ハーク 配給協力:Elles FIlms
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