邦題をつけたひとはかなりのベテランであるに違いない。1980年にジューシィ・フルーツがヒットさせた「ジェニーはご機嫌ななめ」は、2000年代に入ってPerfumeがとりあげたことでも話題になったが、それだってもう20年も前の話なのだ。原題は『The Rule of Jenny Pen』だから『ジェニー・ペンの支配』という感じなのだろうが、これはもう邦題の方が断然いい。「よくもまあ、ここまで可愛くない、こにくらしい表情の人形があるものだ」といいたくなる、その人形の名前がジェニー・ペン。そしてそれはひとりの、あまりにも異常なマインドを持つ老人の指に、ほぼくっついている。

舞台となるのは、とあるケアハウス。昔でいうところの老人ホームだ。終の棲み家である。平和であるにこしたことはない。が、トシをとろうと、根が攻撃的で支配欲のある人間はそのまま迷惑をかけ続ける。ジェニー・ペンを指に着けたデイヴにはありあまるほどの支配欲があった。しかも適当に体が丈夫だったから、自分より弱かったり、気の合わない入居者は徹底的に痛めつける。ひらたくいえば「いじめ」をする。老人が老人をいじめるのだ。
いじめという行為がそもそも卑怯なのに、それを卑怯なやり口でやるから卑怯の二乗三乗となって悪寒がしてくる。しかもそれを自分の意志ではなく「ジェニー・ペンの意志」として行うのだ(このあたりは文字で説明するより、映画を見ていただければバッチリわかる)。そのなかで清涼剤となるのが、車椅子生活を余儀なくされている新入りのステファン。元判事なため「ジャッジ」と呼ばれるが、別にいばりくさっているわけでも正論をふりかざしているわけでもない。が、それがデイヴには気に食わない。常にストレス解消のためのターゲットを探しているデイヴにとって、ステファンは格好のカモだったのだ。デイヴ役はジョン・リスゴー、ステファン役はジェフリー・ラッシュ、監督・共同脚本・製作総指揮はジェームズ・アッシュクロフト。
映画『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』
6月12日(金) より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:ジェームズ・アッシュクロフト
脚本:エリ・ケント、ジェームズ・アッシュクロフト
原作:オーウェン・マーシャル
出演:ジョン・リスゴー、ジェフリー・ラッシュ、ジョージ・ハナレ
2024年/ニュージーランド/英語/カラー・ビスタサイズ(1:1.85)/104分/映倫:G/日本語版字幕:松浦美奈 配給:エデン
(C)2024 Hyenas Rule Ltd
公式サイト
https://jennypen.jp/


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