映画『DIE MY LOVE/ダイ・マイ・ラブ』、カンヌ映画祭を騒然とさせた一作。愛と狂気に打ちのめされる圧巻の映像体験

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 すごいタイトルだ。この“ラブ”が何なのかによってもその意味合いは変わってきそうだが、翻訳ソフトにぶちこんでみたら、なんとまあ、“死ね、愛しい人”と出た。男女の物語だからというわけではないが、見る者の性別や、これまでどんな恋愛関係を送ってきたかによっても、いろんな見方ができるだろうし、いかようにも解釈できるのでは? と感じさせられた。

 主役は、グレースという名前の女性作家。夫と共に田舎町へ移り、その先には出産の機会も訪れた。自然いっぱいの静かな風景は彼女のインスピレーションを活性化させたのでは、出産という新たな体験は彼女のイマジネーションをさらに広げたのでは、と、田舎育ちの男である私などは単純に予想してしまうけれど、どうやらそうではない、というより、まったくそうではないようで、グレースの気持ちは沈み、精気が失われ、やがて幻覚のとりことなっていく。そうなると夫のジャクソンは心配でたまらなくなって当然なのであるが、この彼の行動というか態度が「スパッとした切れ味」とか「勇気ある男気」とはまったく逆ベクトルなのも興味深いし、そこに妙な親近感を抱いた。ギョッとすることがあったとき、ヴァイタルに立ち向かえる男は、実はこの世にそうそういないのではないか? そんなことも一人で考えた。

 グレースを演じるのは、アカデミー賞主演女優賞(『世界にひとつのプレイブック』)受賞者のジェニファー・ローレンス。ジャクソンを演じるのは、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のロバート・パティンソン。監督はリン・ラムジーが務める。自分の人生と照らし合わせれば、いっそう深みを増して迫ってくるはずだ。

映画『DIE MY LOVE/ダイ・マイ・ラブ』

6月12日(金)全国公開

キャスト:ジェニファー・ローレンス、ロバート・パティンソン

監督:リン・ラムジー 原作:アリアナ・ハルウィッツ『死んでよ、アモール』(宮﨑真紀訳)早川書房刊
2025年|アメリカ・イギリス|118分|スタンダード|5.1ch|原題:DIE MY LOVE|字幕翻訳:平井かおり|配給:クロックワークス|PG12
(C) 2025 DIE MY LOVE, LLC.

公式サイト
https://klockworx.com/diemylove

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