これは面白い。そしてわかりやすい。悪いことをしていると言えば確かにしているのだが、なんというのだろう、「捕まらなければいいのに、今度こそは幸せになってほしい」と、画面の向こうに呼びかけたくなる気分なのである。

中心人物は、女性3人。皆、それぞれの立場でお金に苦労している。有村架純が演じる和歌子は、夫の横領と解雇によって莫大な借金を背負った二児の母。黒木華が演じる清恵は、奨学金の返済に追われる借金600万の研究員。研究の上澄みのところだけをすくって自分の手柄のようにする上司にも泣かされている。南沙良が演じる麻由は貯金ゼロの未婚の妊婦。
まっとうに生きていれば知り合うこともなさそうな3人が、「生活を立て直すために大金が欲しい」と一歩踏み出したところから、物語の面白さが始まる。目的を同じにすれば、日ごろの立場の違いなんて簡単に飛び越えられるものなのか。さらにその「犯罪」が、【金の密輸】なのだから、海外にもいかなければならず、ひょっとしたら3人はルパン三世やキャッツアイの主人公にでもなったようなつもりだったのかもしれない。時を得るにしたがって磨きあがられていく3人のチームワーク、男たちのだらしなさ、その他もろもろ、たっぷりとエンターテイニングさせてくれるのがいい。2017年に中部国際空港で主婦たちが【金の密輸】で逮捕された実話をもとにしたオリジナル作品であるという。そんな事件があったのだ、ということを教えてくれた点でも勉強になった。
監督:天野千尋(脚本も)、脚本:天野千尋、熊谷まどか。
映画『マジカル・シークレット・ツアー』
6月19日(金)公開
出演:有村架純
黒木 華 / 南 沙良
塩野瑛久 青木 柚 / 斎藤 工
監督:天野千尋
脚本:天野千尋 熊谷まどか
製作幹事:murmur 日本映画放送
企画:カラーバード
制作プロダクション:エピスコープ
配給:アスミック・エース
(C)2026「マジカル・シークレット・ツアー」製作委員会


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