「王道」のときめきやドキドキワクワク感がこれでもかと詰まった一作。今の自分に納得のいっていない人(=俺はこんなもんじゃないと思っている人)、恋の成就していない人、今の場所でどう咲いていこうか考えている人、裏方的なポジションにいる人、それぞれの心に温かな痕跡を残すことだろう。

神崎麗司は“360度全方位イケメン”と評され、売れっ子で人気も高い俳優だが、似たような配役が多く、結局、最も大きく注目されるのは顔ということになり、役者としての現状には不満を抱いている。だが、彼は実はベテランであり、演技に対するヴィジョンも熱いスピリットも持っている。が、それを封印してルックスでやっていかざるを得ないのが、限られた予算、流れ作業で次々と作っていかなければいけない業界なのである。
仲間の役者はシリアスな作品に出て新境地を開こうとしているけれど、こちらに来るのは相も変わらず王道のラブコメの仕事。しかも今回の相手役はアイドルの南風美里なのだ。だが、神崎はだんだん、この南風美里がガッツのある、いかなることもおろそかにしない人物であることをわかってゆく。触発されている自分に気づく。インスパイアされれば張りが出るのが人間というもの、そのあたりの心境の変化が実に力強く描かれている。
主演は中島健人、長濱ねる。監督は中島健人と小芝風花がW主演のドラマ「彼女はキレイだった」等の紙谷楓、脚本は「ラジエーションハウス」シリーズの大北はるか。
映画『ラブ≠コメディ』
7月3日から全国公開
出演:中島健人 長濱ねる
監督:紙谷楓
脚本:大北はるか
音楽:宮崎誠
配給:ストームレーベルズ/ライブ・ビューイング・ジャパン
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