映画『原爆資料館 語り継ぐものたち』、50年以上に及ぶ、のべ100時間以上の取材映像を再構築したドキュメンタリー

 1955年に開館して以来、累計8000万人が訪れているという広島平和記念資料館、通称“原爆資料館”にスポットを当てた一作。同館の歴史はもちろん、展示替えの模様や、80年以上前のさまざまなものがいかに保存されているか、などにもスポットが当てられている。

 私が初めてここを訪れたのは20世紀の終わりごろだったと思うが、その時の気持ちは「言葉を失う」というしかないものだった。熱風でビンが溶けたり銅貨がくっつき、人の形をした液体が、小さな泡が無数にできてささくれだっている階段にしみこんでいる。階段に座っていた人が熱風で溶けて、その階段も熱風で煮立って、それが冷えてこうなったと思われる。昭和20年8月6日、夏の暑さに熱風、爆風、放射能が加わったさまは、地獄絵図という言葉以上のものだったろう。それでも命を失うことなく、生きることへの希望を捨てなかったひとたちの談話はまさに胸に迫る。

 近年は外国人が訪ねることも増えているという。2016年にはアメリカのオバマ大統領の訪問が実現、2023年にはG7サミットの開催地が広島に決定した。G7の皆さんは資料館のどこを訪れ、果たして何を見たのか? それも含めてじっくり見て、じっくり考えたいところだ。監督は斉藤俊幸、立川直樹。

映画『原爆資料館 語り継ぐものたち』

2026年7月18日(土)より 東京・ポレポレ東中野、
7月24日(金)より広島・八丁座にて公開 ほか全国順次

監督:斉藤俊幸/立川直樹 音楽:石橋英子
プロデューサー:立川直樹 撮影・編集:熊田好洋 編集協力:大重裕二 後援:広島市、広島平和文化センター 制作:広島ホームテレビ 宣伝協力:矢本理子 配給宣伝:きろくびと
2025年|日本|101分
(C)広島ホームテレビ

公式サイト
https://abombmuseum-film.com/