映画『ヒトラーの毒見役』、贅をつくした料理を、死と隣り合わせの状況で食べるのはどんな気持ちか? 世界的ベストセラー小説を映画化

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 アドルフ・ヒトラーの毎回の食事は毒見役がいた。実はこれ、戦後70年近くの間、明かされていなかったらしい。激動の時代を生き延びた一女性であるマルゴット・ヴェルクが、“今までヒトラーの協力者とみなされることを怖れて黙ってきたが、もう打ち明けておくべきだろう”と、告白したことによって明らかになった。それを基にした映画がこれだ。

 この映画の主人公はローザという名前。時代は1943年だ。彼女はベルリンの爆撃を逃れて、ポーランドの田舎町で戦地にいる夫の帰りを待っている。が、そこはヒトラーが総統大本営を置いていた森の近くだったのだ。なんということだろう、が、権力者の意向には逆らえず、しかも賃金も出るので、毒見役のひとりとなった。ヒトラーが食べるのだから、ひもじい庶民とは違う、実にリッチな料理だ。が、常に危険にはさらされているから、まず総統よりも先に毒見役が食べて、そこで毒見役がぶっ倒れたり死んだりしたらヒトラーはそれを食べず、毒見役に異常がなければヒトラーはそれを食べるのだ。つまり毒見役の皆さんはヒトラーの盾である。

 もちろん毒見をしている場面だけでは映画は成立しないだろうということか、その他もろもろの、実にエモーショナルな、なんというか、戦時中であっても、男は男であり、女は女であり、人間は人間なのだという、エピソードもたっぷり描かれて内容に厚みを加えているし、ローザもただ強い者に巻かれるだけのひとではなかった。物語が進むにつれ、彼女の聡明さがより浮かび上がってくる。監督はシルヴィオ・ソルディーニ、主演のローザを演じるのはエリーザ・シュロット、ナチス親衛隊将校を演じるのはマックス・リーメルト。

映画『ヒトラーの毒見役』

7月31日(金)より 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座 ほか全国順次公開

出演:エリーザ・シュロット マックス・リーメルト アルマ・ハス―ン エマ・ファルク
オルガ・フォン・ラックヴァルト テア・ラッシェ ベリット・ヴァンダー クリームヒルト・ハーマン
原作:ロッセラ・ポストリノ 監督:シルヴィオ・ソルディーニ 脚本:ドリアーナ・レオンデフ シルヴィオ・ソルディーニ ルチオ・リッカ クリスチナ・コメンチーニ ジュリア・カレンダ イラリア・マッキア 製作:リオネッロ・チェッリ クリスティアーナ・マイナルディ 撮影:レナート・ベルタ 音楽:マウロ・パガーニ 美術:パオラ・ビッザーリ
2025年/原題:Le assaggiatrici/ドイツ語/123分/イタリア ベルギー スイス/カラー/1.85:1/5.1ch/PG12 日本語字幕:大塚美左恵
配給:アンプラグド
(C)2025 Lumiere & Co. / Tarantula / Tellfilm / Vision Distribution

公式サイト
https://unpfilm.com/dokumi/

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