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エンタメ

  • 2023年5月12日

フリークスvs鍵十字。自由と多様性が屈することは、決してない! 映画『フリークスアウト』

 異色作『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』の監督、ガブリエーレ・マイネッティが遂に新作を発表した。ヴェネツィア国際映画祭でコンペティション部門に選出され、ロッテルダム国際映画祭で観客賞、アカデミー賞で6部門を受賞した話題作『フリークスアウト』が5月12日から全国公開される。  私は『皆はこう呼んだ、鋼鉄 […]

  • 2023年5月12日

大ベテラン俳優たちがおくる、人生100年時代への応援歌。『それいけ!ゲートボールさくら組』

 過去、人生50年といわれた時代があったという。が、いまは人生100年時代。当然ながら年齢の描き方にもニュー・スタンダードがあっていいのだ。そうした意味で、この『それいけ!ゲートボールさくら組』は、王道エンターテイメントでありつつも、実は画期的な内容なのだと思った。  物語の中心になるのは、かつて高 […]

  • 2023年5月5日

歳月を経ても変わらないもの、それは友情。国際的ベストセラー小説が、最高の形で映画化。『帰れない山』

 イタリアの作家、パオロ・コニェッティの同名ベストセラー小説(39言語に翻訳)を、約2時間半にわたって映画化。第75回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作品、『帰れない山』が5月5日から全国公開される。  舞台は北イタリアのモンテ・ローザ山麓。主人公は山をこよなく愛する父親を持つ都会育ちのピエトロ(ルカ・ […]

  • 2023年5月5日

仕事、子育て、介護、新しい恋。目まぐるしい毎日を駆け抜ける。『それでも私は生きていく』公開

 「自分自身の人生はもちろん自分だけのものではないとしても、では、自分自身で自分そのものを思いっきり生きていると感じられる瞬間は、果たしてどんなときに訪れるのだろう?」  観終わったあと、しみじみと、そんなややこしいことを考えてしまった。  主人公は、サンドラという女性。5年前に夫を亡くしてから娘を […]

  • 2023年5月4日

4つの都会を舞台に、一人の女性の「あり得たかもしれない人生」を描く話題作『ジュリア(s)』

 人生は偶然の集積なのかもしれない。あのとき、あの人に出会っていなかったら。もしもあの電車ではなく、次の電車に乗っていたら。なにがきっかけで、どう変わるかわからないのが人生だ。  5月5日から全国公開される『ジュリア(s)』は、そんな“生の真理”(せいのしんり)的なものを、ユニークな手法で描き出す一 […]

  • 2023年5月4日

ロバはすべてをお見通しだったのか。スコリモフスキ監督、7年ぶりの長篇力作『EO・イーオー』

 主人公は、ロバ。「イーオー」は、その名前だ。ポーランドのサーカス団に所属していたが、諸事情により解散せざるを得なくなり、イーオーは元団員のカサンドラに連れられて、イタリアへ向かう旅に出る。途中、カサンドラの許を離れ、数々の人と出会う。命の危険を感じることもあるし、ホッとするようなひとときを得ること […]

  • 2023年4月28日

注目の女優、ミハリナがチェコスロバキア最後の女性死刑囚、オルガに扮した話題作、『私、オルガ・ヘプナロヴァー』

 2016年ベルリン国際映画祭パノラマ部門のオープニング作品を飾った一作(監督:トマーシュ・ヴァインレプ、ペトル・カズダ)が遂に日本に上陸する。1973年にチェコ・プラハで実際に起きた無差別殺人の犯人、オルガ・ヘプナロヴァーをモデルにした一作だ。非常に大変な役柄だったのではと思うが、『ゆれる人魚』や […]

  • 2023年4月26日

現代モンゴルの話題作が日本上陸。映画デビューの新鋭と、30年ぶりに銀幕復活したベテランが共演

 モンゴルときいて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。山脈、草原、朝青龍……そんなイメージが浮かんでいた方に、まず申し上げたい。「この映画を観ると、ぶっとぶぞ」と。『セールス・ガールの考現学』は4月28日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショーされる。  主人公はモ […]

  • 2023年4月23日

鬼才が捉え、放棄した「1968年の揺れ動くアメリカ」を今、スクリーンで体験。『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』公開へ

 いわくつきの一作とは、こうしたものをいうのだろう。  1968年秋、フランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダールはアメリカ・ニューヨークにやってくる。五月革命が起こった国の映画人が、キング牧師の暗殺がまだ残る国を訪れたのだ。カメラを回すのはリチャード・リーコックとD・A・ペネベイカー。60年代初頭 […]

  • 2023年4月20日

本物のヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニの映像をサンプリングした、いわくつきの一作『独裁者たちのとき』が、日本上陸

 音楽の世界でいうところの「サンプリング」を駆使しまくった作品と言っていい。登場人物はヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニ。すべて本人だ。アーカイブ映像から彼らを取り出し、セリフも過去の手記や実際の発言から引用された。さらにいうなら、ディープフェイク(注:人物画像合成技術)やAIテクノロジ […]