- 2024年3月24日
こんな時代だからこそ観ておきたい。生存者による渾身のメッセージが、作品完成から25年を経て日本の劇場で初公開『ナチ刑法175条』
「ナチ刑法」というくらいなのだから差別・弾圧・洗脳・殺人・優生思想と結びついている内容なのは確かだろう、と思いながら観始めたのだが、こんなことがあったとは、と、また権力者たちの悪行に言葉を失わされた。20世紀の、まだ100年も経っていない、地球の歴史から言えばまだまだ近過去であろう時代に、どうして […]
「ナチ刑法」というくらいなのだから差別・弾圧・洗脳・殺人・優生思想と結びついている内容なのは確かだろう、と思いながら観始めたのだが、こんなことがあったとは、と、また権力者たちの悪行に言葉を失わされた。20世紀の、まだ100年も経っていない、地球の歴史から言えばまだまだ近過去であろう時代に、どうして […]
2019年に公開された『流転の地球』の、そこに至るまでの過程を描いたというべき作品。製作費は3.2億元(約65億円)、すでに世界興収は約6億米ドルに達しているそうだが、3月22日からようやく日本でも公開される。中国映画の技術とダイナミズムに刮目させられる、約3時間の長編だ。原作・製作総指揮は、リウ […]
『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ』が好評上映中のところ、レゲエ・レジェンドであるジミー・クリフの絶頂期(といっていいであろう)の記録『ボンゴマン』がデジタル・リマスター化されて3月22日から新宿シネマカリテほかで全国順次ロードショーされる。 私は10年ほど前に彼の来日公演に接し […]
『クリフハンガー』、『ダイ・ハード2』、『ディープ・ブルー』などを手掛けた監督を務めたレニー・ハーリンの新作というだけで、痛快なアクションや二転三転するストーリー展開は約束されたといってもいい。原作はポール・リンゼイがノア・ボイド名義で上梓したサスペンス。円熟の域に達したアーロン・エッカートが主人 […]
私はタイムリープものが好きで、そのつど「タラレバの切なさ」に触れる思いになるのだが、この作品は趣向が異なる。自分の中にある「良心」が激しく揺さぶられているような感触を覚えた。 タイトル通り、まさに「ペナルティ」が「ループ」する。主人公の岩森は6月6日の朝6時、溝口を殺すために家を出る。彼に恋人・ […]
知ることは優しさへの第一歩 映画『渇愛の果て、』は、「家族・人間愛」をテーマにし、あて書きベースの脚本で舞台の公演を行なってきた「野生児童」主宰の有田あんが、友人の出生前診断(しゅっせいぜんしんだん)の経験をきっかけに、助産師、産婦人科医、出生前診断を受けた方・受けなかった方、障がい児を持つ家族 […]
こちらの不勉強もあるとしても、こんなにも「知ら(されてい)なかったこと」が現在進行形で行われているとは、やはりショックだ。“2015年から8年かけ沖縄・南西諸島をめぐり取材を続けてきた映画作家でジャーナリストの三上智恵による渾身の最新レポート”の名に、いささかの誇張も感じられない。一度気を緩めたら […]
「現代」の姿、「人間」というもののリアリティをつきつけられたような気分になる。 主人公の女性・ムンジョンは、韓国で“半地下”よりも底辺の住居“とされるビニールハウスで暮らしている。息子は少年院にいて、母は認知症を患っている。出所の近づく息子と一緒に暮らすための資金を得るために、老夫婦の訪問介護士 […]
構想10年の末に仕上がった作品だときく。このようなコンセプトを温め続けてきたゲイリー・ハギンズ監督には、「あっぱれ」というしかない。よく今まで正気を保ててこれたものだと思うし、しかも実話がベースになっているというのだから、びっくりだ。舞台となるのは、アメリカ中西部のカンザス・シティ。ここは「ミズー […]
ダイアン・キートン、リチャード・ギア、スーザン・サランドン、エマ・ロバーツ、ルーク・ブレイシー、ウィリアム・H・メイシーが集結、というだけで劇場にかけこみたくなるファンも多いはずだ。しかも舞台にはきらびやかな大都会ニューヨークも含まれていて、内容はといえば実にわかりやすく、粋で、しかもハラハラさせ […]