Studio K’zの最新舞台『正典・まなつの銀河に雪のふるほし』が、本日9月13日（水）より、池袋のシアターKASSAIにて開幕した。同作は、2012年初演、2017年に再演され人気を博した舞台で、今回3度の上演となる。前回と同じく、演出は劇団6番シードの松本陽一氏が、脚本（原作）は麻草郁氏が担当し、総勢19名の熟練キャストによるガールズ演劇となる。
さて、物語の大枠はこれまでと同じで、時代は今より10万年後の超遠未来。そこには遥かなる時間を生き残った人類と、人間に動物の能力を組み込んだハイブリッド種、そして彼女たちの教育・防災係となるロボットのマシーナリーたちが暮らしていた。そこに現れたのが、とある使命を託された前田美咲演じる木更 奏（キサラ カナタ）だ。
彼女の出現によって、3者の生活コロニーには波風が立つようになるが、やがてそれは彼女の背負った使命と感応するかのように、ある方向へと収束していく……。果たして、彼女たちはどうなるのか？ 未来は？ と、最後までハラハラドキドキさせる展開が待ち構えている。麻草氏の脚本には、往年のドタバタ的なものも感じられるが、より人物の造形が深みを増しており、登場人物たちの機微をより深く感じられるようになっているところにも、注目だろう。
演出の松本氏はゲネを終えて、「いいゲネだったと思います。ものすごく手応えを感じています」と絶賛。「彼女たちの生きざまが素直に、ストレートに感じられる脚本になっていて、僕も共感しましたし、それをシンプルにお客さんに届けられたら、感動していただけるのではないかと思って、演出しました。それが体現されたゲネになったと思います。10万年後というものすごいSF設定と、そこで生きる女の子たちのドラマを、見に来ていただきたいです」とアピールしていた。
上演は9月18日（月・祝）まで。以下、メインキャストのコメントを紹介します。
前田美咲／木更 奏役
東京で舞台に出演するのは初めてだったので、知り合いがいない中で、ものすごくドキドキしていましたけど、日々、共演の皆さんにたくさん刺激をいただいて、頑張らなくちゃと思いながら、稽古をしていました。本当に、共演の皆さんのおかげで、こうしてゲネプロを無事に終えられたと思っています。これから本番が始まりますが、一緒に最後まで頑張って行きたいです。そして、舞台で描かれる世界観に対しては、見てくださった方々は、いろいろなことを想像できると思います。SFだけど、意外と現代の世の中とリンクする部分も絶対にあると思いますし、いろいろなことを感じてもらいながら、楽しんでもらえたらいいなと思います。よろしくお願いします。
宮里莉羅／水無 光役
光は、奏を復活させた張本人なわけですけど、最初は冷たい子だなとか、ちょっときつい性格をしているなって感じると思いますが、徐々に殻に閉じ籠っていた部分が出てくることで、段々と柔らかくなっていきます。そんな光に注目をして見ていただけたら嬉しいなぁと思います。よろしくお願いします。
天音／習志野 文役
（本作が）過去に上演されているのは知っていて、ずっと出てみたいなって思っていました。そうしたら、タイミングよく今回出演できることになって！ とっても嬉しかったです。可愛らしい感じのキャラクターがたくさん出てくるので、ほのぼのした雰囲気もありますが、実際にはかなり厳しい世界の中を生き抜いている子たちで、さまざまな制約の中で、一所懸命に命を燃やしている姿を見てもらえたら嬉しいです。
ちなみに主演の前田は当初、主演とは知らされずのオファーだったそうで、主演と分かった時には「マジか！」とびっくりしたそう。しかし、久しぶりの舞台出演の喜びのほうが勝ったといい、「不安もありましたけど、東京で初めての舞台だ！ やってみよう！」と思いながら稽古に励んだという。その稽古では「共演者から勉強することがたくさんあった」そうで、かつ（木更と）リンクするところもたくさん感じ取ることができ、結果として「木更奏になれた」と、思えるほど（役との）一体感を味わうことができ、ゲネを終えては「イエーイっていう感じです」と、その喜びを語っていた。
※ゲネの写真は後日掲載します。
※9/14 場面写真追加しました
舞台『正典・まなつの銀河に雪のふるほし』
2023年9月18日（月・祝）まで、池袋シアターKASSAIにて上演中
【キャスト】
前田美咲／宮里莉羅／天音／結城美優／黒木美紗子／陽向菜友／南雲ひより／もりしま りお／沖田桃果／須山朱里／夢月／神田緋那／菜乃花れみ／村田綾野／夢川い?／橘 明花／野谷ひまり ／／ 有沢澪風／大石夏摘
●正典・まなつの銀河に雪のふるほし 公式サイト
●前田美咲
●宮里莉羅
●天音
