映画『桃源郷的娘』は、川端康成の『眠れる美女』をモチーフに、アナーキー老人の爆走する性と妄想力を描いた艶笑コメディ。監督は日活社員の太田慶(『狂える世界のためのレクイエム』)。鈴木清順や神代辰巳へのオマージュなど“日活愛”あふれる本作は、カナザワ映画祭2018「期待の新人監督」に正式出品され、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019で北海道知事賞を受賞。
主演はコント赤信号の小宮孝泰(『星屑の町』)。ヒロインを演じるのは、浅草ロック座と大阪東洋ショーの踊り子も務めるセクシー女優の川越ゆい。主人公が公園で出会うガンジーを崇拝する若者役で永里健太朗、主人公の忠実な執事役でヘイデル龍生、行きつけの店・御影屋の女将・律子役で三坂知絵子が脇を固める。
この度、2022年1月21日(金)からのアップリンク吉祥寺での公開を前に、予告編、追加場面写真、夢がない青年・田村優夫を演じた永里健太朗と、ヒロイン・桃子をスカウトする女将・三浦律子を演じた三坂知絵子のコメントが届いた。
■田村優夫役:永里健太朗 コメント
この作品の台本を読んだ時、太田監督らしい作品だなと感じました。監督の映画や文学の知識量の凄さと、それを監督の頭の中で描く他にはない発想がまじり合い、この作品が生まれたんだなと。太田監督の1作目『狂える世界のためのレクイエム』にも出演させていただいたのですが、独特の描き方で驚き、終盤のシーンは出来上がってから更に驚きましたが、今作も他にはないアプローチで、演じていても楽しかったです。
田村という青年の変なところをやり過ぎず、日常感を醸し出しながら、監督のイメージする田村に近づけるよう意識しながら演じました。
太田監督が0から生み出し劇場公開まで尽力した唯一無二のロマンポルノ風コメディ映画、是非映画館でご覧ください!
■三浦律子役:三坂知絵子 コメント
太田監督から出演依頼をいただき、今作品のシナリオを読んだ際、登場人物それぞれの「欲望」の描き方が独特で面白いと思いました。太田監督自身、どこか掴みのどころのない雰囲気をまとってらっしゃる方ですが、シナリオの中に映画製作への強い情熱を感じました。
私が演じた律子は、人々の欲望が交錯する場所「御影屋」の女将です。『桃源郷的娘』というタイトル通り、奇妙な夢のような物語ですが、律子が街でスカウトするヒロイン・桃子役の川越ゆいさんがとても魅力的なかたで、川越さんの存在感によって映画に真実味が加わったように思います。ぜひ、映画館で見ていただけましたらうれしいです。
映画『桃源郷的娘』
2022年1月21日よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
【あらすじ】
老浮浪者が、公園のベンチで居眠りしている娘に恋をした。だが、浮浪者は既に男性機能を失っていて娘を抱くことが出来ない……。生涯の恋を叶えるために浮浪者が思いついた突拍子もないアイデアとは? そして「寝ているだけでお金持ちになってステキな彼氏が出来る」ことを夢見る「お気楽娘」を待ち受ける摩訶不思議な運命とは…?
小宮孝泰 川越ゆい
永里健太朗 ヘイデル龍生 三坂知絵子 新納敏正 江端英久 鈴木宏侑 鈴木幸重 香川知恵子
監督・脚本・編集:太田慶 撮影:石山稔 照明:小林敦 録音:森元智典 助監督:陳詩涵 制作:島田薫 ヘアメイク:清水彩美 音楽:真野勉 宣伝デザイン:中村欽太郎 配給・宣伝:アルミード
2018年/日本/カラー/16:9/57分
(C)太田慶