何時か輝く場所へ辿り着けるまで…。「春乃友夢」(アンダービースティー)が1stソロ単独公演を開催

 アンダービースティーの歌姫であり、ライブを熱狂へ導く斬り込み隊長としてつねにステージの最前線で存在を輝かせている春乃友夢。以前からソロとしてシングル作品を発売してきた彼女が、今回、初の単独公演に挑戦した。それが、バンドを従え、8月7日(金)にTSUTAYA O-WESTで行なった「春乃友夢 1st ワンマンライブ Now or Never」になる。コロナ禍という情勢もあり会場に足を運べる人数に制限もあったことから、この日は配信でもライブの模様を届ければ、数多くの人たちが画面越しに熱い視線を送っていた。

 幕が開くと同時に目に飛び込んできたのが、春乃友夢の姿。彼女は、「求めていた愛はRose 永遠に」と、1stシングル「Rose」の冒頭をアカペラで歌唱。春乃友夢の歌声へ導かれるように重厚なバンドサウンドが轟きだす。轟音響かせ走る演奏の上で、春乃友夢はスタンドマイクを両手でギュッと強く握りしめ、沸き上がる想いをぶつけだす。凛々しい歌声に熱が加わるたび、彼女自身が薔薇のように色づいてゆく。その姿を荒れ狂う音が支えていた。

 激しさと華やかさの両面を備えた「Past Perfume」、言葉のひと言ひと言を熱情した想いのままにぶつけた「YNDR」と、背中を直撃する激烈な音を力に春乃友夢は熱唱し続ける。バンド演奏が、彼女の伝えたい、吐き出したい想いを増幅してゆく。春乃友夢はその熱量をしっかり届けようと、いつも以上に身体を奮わせ、高らかに歌い続けていた。

 重低音轟く「DIVISION」で春乃友夢は、抑揚した歌声を絵筆に楽曲へドラマを描き出す。身体は熱を求めながらも、気持ちの揺れをダイレクトに伝える彼女の歌声に触れ、心は物語の中へスーッと引き寄せられていた。春乃友夢の声を合図に楽曲は、激しさを抱き一気に加速。ヘヴィシンフォニックナンバー「Black Jet」を武器に、彼女はフロア中や画面の先にいる人たちを凛々しい姿と歌声で挑発してゆく。美しくしなやかな様で、相手の心を射抜くように歌うその姿は、狙い済ました相手を狩ろうとする女豹のよう。挑発をやめない春乃友夢の激しく攻めた姿勢に触発され、気持ちがずっと沸き立っていた。

 「わたしの心に残り続けている大切な楽曲です」の言葉に続いて歌ったのが、ソロナンバーとして2年前に発表した「regret」と、人魚姫をテーマに書いた、春乃友夢初めてのソロ曲「Never my love」。中盤のブロックではバラードを2曲披露。それぞれの歌詞に綴った愛しくも切ない恋心へ想い(歌声)を寄り添えながら、彼女は零れそうな気持ちのままに切々と歌声を響かせていった。

 愛おしさ覚える曲たちに触れている間中ずっと、春乃友夢に心の手を寄り添えていたかった。アンダービースティーでは強気な姿を示すことの多い彼女だからこそ、この2曲を通し気持ちの内側に渦巻く想いを静かな熱情として伝えゆく様へ、春乃友夢がソロとして歌う理由を覚えていた。だから、胸の内に渦巻く言葉にして伝えられないか弱い乙女な心模様に、ずっと惹かれていたのだろう。

 メンバー紹介のとき、この布陣は「ARCADIA CAT」と「love pain」のときに演奏していたミュージシャンであることも教えてくれた。気になった方は、MVをチェックしていただきたい。

 後半、冒頭から感情をトップギアに入れ、何時も以上に気迫込めた姿で春乃友夢は「new journey」を熱唱、観客たちを沸き立てていた。豪快な音の上で挑むように歌う姿の中、ときおり優しい笑みを見せていたのは、彼女自身が心の翼を楽しそうに羽ばたかせていたからだ。「over the sky」では、心の闇を吹き飛ばすよう魂を開放する歌を届け、春乃友夢は、ライブに触れている人たちの気持ちを晴れた空間へ導いていった。

 そして、黒い唸りを上げた「raven」。いつだって春乃友夢は、逆境の中から羽ばたき、光をつかもうとし続けてきた。攻撃的な楽曲に乗せ挑むように声を張り上げる姿から見えてきたのは、信じていれば何時か目指す場所へ辿り着けるという信念。強い意志を示す凛々しい姿に触れ、いつしか身体が熱く奮えていた。歌い終わり、フロア中から響いた大きな拍手が、みんなの心を震わせた証であったことを物語っていた。

 「みなさんのおかけで最高に熱い時間が作れました。このワンマンライブを踏みだす大きな一歩にしたくて、「Now or Never」と名付けました。ぜんぜん満足はしてないけど、ここに立てて良かったと思います。いつか絶対に「すげぇ!!」と思わせる歌を歌うので、これからも見続けてください」

 最後に春乃友夢は、自身の未来を照らすように「Shine」を歌唱。激しくドラマチックに進んでゆくこの歌には、春乃友夢自身の今の気持ちが投影されている。いつだって光輝く未来が見えているからこそ、彼女は苦悩や挫折を何度も味わいながらも立ち上がり続けてきたし、今も立ち向かっている。本編最後に「Shine」を歌ったことで、春乃友夢は消えることなく抱き続ける自分の強い意志と希望を示してくれた。

 アンコールは、魂を熱く揺さぶる「Red Line」から。疾走する激しい楽曲の上で、彼女は、触れた人たち全員を挑発しながら熱狂の中へ連れだした。沸き出す感情をすべて解き放たないことには気持ちが収まらない。春乃友夢の挑発を受け、嬉しそうに飛び跳ねる人たち。春乃友夢の動きに合わせ終盤に生まれた、共に大きく手を振る光景も眩しく見えていた。

 歌い終わり、春乃友夢が今の想いを語り出した。

 「アンダービースティーに加入した当初はグループの夢というよりも、自分の夢を叶えたい気持ちのほうが強かったと思います。だけどアンダービースティーを6年やってきて、グループとしてもっともっと叶えたい夢がたくさん増えました。何時からか一人の夢が叶わなくてもいいやと思うくらい、グループのメンバーがすごく大切になったし、アンダービースティーとしてもっともっと頑張りたい想いが芽生えました。だけど、昨年シングル『Rose』を出させていただいて、どっちも夢を見ていいものだなってすごく感じました。今も悩んでしまうことがたくさんあるし、まだまだどんなに頑張ってもなりたい自分になるまでにはほど遠くて嫌になっちゃうんですけど、こうした楽しい時間があるからわたしは頑張れます。何時かもっとみなさんにわたし自身も満足した歌を届けられるように、絶対あきらめずに歌い続けます。これからも頑張りたい場所へ辿り着くためにも、アンダービースティーの力になれる一人になれるように頑張っていくので応援よろしくお願いします」

 「こうした状況だからこそ、歌いたいと思った曲です」。最後に春乃友夢が歌ったのが、アンダービースティーの最新配信曲「Trust in…」。歪みを上げた音が、この空間に歪んだ絵を描き出す。その絵に滲むことない真っ直ぐな色を塗るように春乃友夢の歌声が響き渡る。こんなくすんだ時代だからこそ彼女は、汚れなき想いを絵筆に、この空間(現代)に揺るがない想いの絵を描いていった。どんな環境の中でも、信じた想いを持って突き進むアンダービースティーの、そして春乃友夢自身の意志を、彼女は「Trust in…」を通して示してきた。その歌声に触れていたら、この歌の歌詞のように、いつかきっと素直な気持ちで一緒に笑いあえる、そんな素敵な未来を見れる自分になっていた。

 アンダービースティーは、9月9日に最新シングル「Real Blade」を発売する。10月21日には新木場STUDIO COASTでのワンマン公演も控えている。次は、その舞台で共に熱狂しようか。

TEXT:長澤智典

★インフォメーション★
9月9日 アンダービースティー 6thシングル「Real Blade」リリース!

アンダービースティー「Trust in…」配信シングル発売中。

「アンダービースティー -UB roll a DICE-」
2020年10月21日(水) 新木場スタジオコースト
開場 18:00 / 開演 19:00

アンダービースティー Web
http://underbeasty.jp/

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https://twitter.com/yumu_34

春乃友夢 BLOG
https://ameblo.jp/haruyumu-34

―セットリスト―
「Rose」
「Past Perfume」
「YNDR」
「DIVISION」
「Black Jet」
-mc-
「regret」
「Never my love」
-mc-
「new journey」
「over the sky」
「raven」
-mc-
「Shine」
-ENCORE-
「Red Line」
-mc-
「Trust in…」