「大人の恋」を描く、いまおかしんじの最新2作品が新宿K’s cinemaにて公開

 1990年代から監督活動を続けるいまおかしんじの2作『遠くへ,もっと遠くへ』『あいたくて あいたくて あいたくて』が8月13日(土)より新宿K’s cinemaにて公開される。

 『遠くへ,もっと遠くへ』(脚本:井土紀州)は、第17回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門の正式出品作品。主人公は、夫との離婚後の新たな住まいを考えて不動産屋に通う女性(つまり、まだ離婚していない)、その女性に心を惹かれてしまったものの、3年前に失踪した妻のことが忘れられない男性(つまり、まだ離婚していない)。女性はその男性と早く一緒になりたかったのだろうし、「どんなひとが奥さんだったのだろう」という好奇心もあったに違いない……。失踪妻を探そうと男性にけしかけて、わけありのふたりは、一台の車に乗って旅に出る。妻は見つかるのか、もし見つかったとして彼女とその女性と妻の修羅場はあるのか、ふたりの女性の間で男性の心はどう揺れ動くのか。観ているうちに次々とかってに湧いてくる、見る側の「期待」をしっかり踏まえつつ、物語は展開されてゆく。

 北海道の雄大な風景、ビートルズ「アイ・ウォント・ユー」ばりに唐突なエンディングも見どころだ。新藤まなみ、吉村界人、和田瞳、川瀬陽太らが出演。

 いまおか自ら脚本も手掛けた『あいたくて あいたくて あいたくて』は、さらに年齢が上の、大人の恋を描いた一作。主人公は、タイ料理屋を経営する女性・淳子。1年前に夫を亡くしてからは一人で切り盛りしている。ある日、ハンドメイドのテーブルを家具職人・祐司から通信販売で購入すると、おまけで送られてきた人形の首がとれていた。この「壊れたおまけ」から、物語は大きく発展する。やがて女性と家具職人(離婚歴あり)は互いの顔も知らぬままメールによる文通を始め、そこに同棲を始めようとする淳子の一人娘、そのふがいない彼氏、淳子に再婚してほしいと迫るサラリーマン、祐司の元妻と新彼氏などの人間模様がまざりあって、「大人の恋愛ならではのコク(ねちっこさ)」を生み出していく。淳子と祐司はいつ、どこで出会うのか、はらはらさせられた。主演は丸純子と浜田学。

 何歳になっても恋をしたいし、一所懸命に燃え上がりたい。そんな声が各キャラクターの心から伝わってきそうな、力作二編である。

映画『「遠くへ,もっと遠くへ』

8月13日より、新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー

<キャスト>
新藤まなみ 吉村界人
和田瞳 川瀬陽太 大迫一平 佐渡寧子 黒住尚生 広瀬彰勇 佐藤真澄 茜 ゆりか

<スタッフ>
監督:いまおかしんじ 脚本:井土紀州 企画:利倉亮 プロデューサー:江尻健司 アシスタント・プロデューサー:山田剛史、竹内宏子 撮影:花村也寸志 照明:志村昭裕 録音:治田敏秀 装飾:魚住和伸 小林岳郎 編集:桐畑 寛 助監督:高橋大武 ヘアメイク:五十嵐千聖  音楽:宇波拓 音響効果:藤本淳 演技事務:関根浩一 制作:堤亜希彦 製作:レジェンド・ピクチャーズ 配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 配給協力:ミカタ・エンタテインメント
2022年/日本/107分/カラー/ステレオ/
(C)2022レジェンド・ピクチャーズ

映画『あいたくて あいたくて あいたくて』

8月13日より、新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー

<キャスト>
丸純子 浜田学
川上なな実 柴田明良 青山フォール勝ち 山本愛香 足立英 青木将彦 松浦祐也 川瀬陽太

<スタッフ>
脚本・監督:いまおかしんじ 企画:利倉 亮 プロデューサー:江尻健司 アシスタント・プロデューサー:山田剛史、竹内宏子 撮影:山本英夫 録音:大塚学 装飾:魚住和伸、小林岳郎 編集:蛭田智子 助監督:森山茂雄 メイク:中林季美子 音楽:村山竜二 音響効果:藤本淳 演技事務:関根浩一 営業統括:堤亜希彦 製作:レジェンド・ピクチャーズ 配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 配給協力:ミカタ・エンタテインメント
2022年/日本/78分/カラー/ステレオ R-15作品
(C)レジェンド・ピクチャーズ

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