実にわかりやすく楽しいコメディだ。こういうことをテーマにした作品は、おそらく漫画の世界にも数限りなく存在するはず。この映画ではそこに「ユダヤ」というファクターを加えることで奥深さを生み出している。

冒頭からいきなり「オヤ、なんとおさかんな」というシーンが来る。主人公の大学生であるダニエルはどうやら勉強よりも就活よりも“パパ活”に忙しいのだが、その途中で呼び出しがかかり、シヴァ(ユダヤ教の葬式)に参加せざるを得なくなる。無事、葬式に到着したダニエルだが、そのしばらく後、ある男が妻子とともにやってきた。見覚えがあるなと思ったら、ついさっきまでのパパ活相手ではないか。しかもその相手は、ダニエルの父と知り合いだった。
さあ、どうつくろってゆくか、各人の心模様が、時にユーモラスに演じられてゆく。画面越しに、こちらもハラハラしっぱなしだった。舞台が「葬儀」というフォーマルなものであることも、物語の面白さにプラスしている。粛々としていなければならない場であるということはわかっているけれど、その制約を時に超えてしまうのが人間の持つエモーションなのだ。エマ・セリグマン監督がニューヨーク大学の卒業制作で手がけた短編の長編版で、ダニエル役はレイチェル・セノット。ほかモリー・ゴードン、ダイアナ・アグロン、フレッド・メラメッド等も登場する。
映画『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』
公開中
監督・脚本:エマ・セリグマン
出演:レイチェル・セノット、モリー・ゴードン、ダニー・デフェラーリ、ダイアナ・アグロン、ポリー・ドレイパー、フレッド・メラメッド
製作:エマ・セリグマン、リジー・シャピロ、ケイティ・シラー、キーラン・アルトマン 撮影監督:マリア・ルーシェ 編集:ハンナ・パーク プロダクション・デザイン:シャイアン・フォード 音楽:アリエル・マルクス 衣装デザイン:ミシェル・J・リー
2020|78分|英語|アメリカ、カナダ|原題:Shiva Baby|字幕翻訳:内海千広 <G> 配給・宣伝:SUNDAE
(C)2020 SHIVA BABY LLC. All Rights Reserved.