原田和典
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原田和典

  • 2022年11月26日

アラン・ドロン以前の「フランスの二枚目俳優」といえば、彼なしに語れない。『ジェラール・フィリップ 生誕100年映画祭』

 1922年に生まれ、1959年に早すぎる死をとげたジェラール・フィリップ。その偉業を振り返る特集上映会「ジェラール・フィリップ 生誕100年映画祭」が11月25日よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で行われる。  日本の劇場において、彼の特集 […]

  • 2022年11月21日

ロックとファッションが高揚しあった1960年代、その眩しいまでの輝きを彼女は主導した—-

 ファッション・デザイナー、もしくはブランド名としてその文字を知っていても、では「実際、何をどうしたのか」と問われるとわからない。そんな人物が自分にとってのマリー・クワントであった。  イギリスの男性上位社会、古い因習の中で、彼女の存在や発想がいかに斬新でポップなものであったか。そうしたことがたちど […]

  • 2022年11月19日

ディーラーが「足を洗う」ために行う最後の「大悪事」を、登場人物と同じ時間軸で味わう『ナイトライド 時間は嗤う』

 この映画に関しては、第一に、スティーヴン・フィングルトン監督のコメントを紹介するのが最良の策であろう。 「このプロジェクトで最も気に入っている点は、撮影終了と同時に映像がファイナルカットになっていることである。余計な手を加えて台無しにはできない。一般的にカットしなければ観客が興味を失うという誤解が […]

  • 2022年11月11日

観る者の想像力を花開かせる、真夏の浅草、路地裏の物語『ゆめのまにまに』

 あわただしい日常を忘れさせてくれる作品だ。セリフの“間”も快い。10言うところをあえて7ぐらいにとどめ、残りを観る者の想像にゆだねるような感じだ。  季節は夏。舞台となっているのは、浅草六区の古物店「東京蛍堂」。主に大正時代のグッズを取り扱っている。アルバイトのマコト(こだまたいち)は気ままに毎日 […]

  • 2022年11月11日

別の視野を持つ女性との出会いが、彼の背中を押した。雄大な自然のなかで描かれる自分探しの物語『川のながれに』

 自然や人への愛がひしひしと伝わる一作だ。プロデューサーで俳優の川岡大次郎は、2016 年にテレビ番組の企画で那須塩原に期間限定で住んだ。すっかり魅せられた彼は、「なすしおばら映画祭」を立ち上げ、さらにその映画祭に向けて本作を制作した。2021 年にクロージングで上映された後、全国の劇場で公開したい […]

  • 2022年11月4日

名匠ヴァルダの、再評価高まる80年代作品が本人監修のDCP素材で劇場公開

 2019年に90歳で他界した映画作家アニエス・ヴァルダ。いまなおラブコールがやまない彼女が1985年に監督・脚本・共同編集として名を刻む重要作『冬の旅』の、久々の日本における劇場上映が実現する。  冒頭から、いきなり冷え冷えしたショッキングなシーンが目に飛び込んでくる。場所はフランスの片田舎、季節 […]

  • 2022年11月2日

「クライム・サスペンス」でもあり、「バディもの」でもあり。いまどき、珍しいほどの「男くささ」に引き込まれる『警官の血』

 じっとりとした、重く湿っぽいほどの手応えを感じさせる「サスペンス」であり、さわやかなまでに「バディもの」だ。もちろん基本的にはクライム・サスペンスなので「真の悪者さがし」に関心が向かいがちになってしまうけれど、それにこだわりすぎると木ばかり見て森を見ないことになってしまう。認め合う男の美しさもまた […]

  • 2022年10月30日

幻想、怪奇、悲恋、静謐。ひとことでは言い表せない三国共同製作作品『ノベンバー』が遂に日本上映

 エストニア、オランダ、ポーランドの共同製作(モノクロ)。監督と脚本を兼ねるライナー・サルネは、「エストニアのお伽噺とキリスト教の神話をミックスし創り上げた作品」であると記している。焼き魚、みそ汁、米の飯的な生活をしている者にはいささか遠さを感じさせる題材だが、ここに「ハロウィン」が関わってくるとな […]

  • 2022年10月27日

「民族ハッピー組」の馬渕恭子が人妻役! アフターコロナを予見した快作ラブコメディ

 どんな内容なのか想像もつかないタイトルなのがいい。と同時に、よくこうした発想が浮かぶものだと拍手をおくりたくなる。  不倫ウイルスとはなんなのか。つまり、これに感染すると、不倫したくてたまらなくなるのだ。好きであろうがなかろうが、会ったことがあろうがなかろうが、これにかかると既婚者と恋に落ちてしま […]

  • 2022年10月26日

生きている者/臨死状態の者/亡くなってしまった者の間に橋を架ける、約150分の意欲作

 「この世」と「あの世」は決して分断されておらず、その間には、いくつもの層がある。そうした層にとどまってしまったひとたちの物語という印象を、個人的にはこの映画から受けた。  登場する中には、2011年3月11日で時間が止まってしまった者もいる。必死に高いところに駆けあがったり、逃げ惑う誰かを助けよう […]