- 2025年2月15日
どれが嘘でどれが真実? 混乱も含めて物語全体をじっくりと味わうべきインターネットスリラー『コメント部隊』
嘘と真実がメダルの裏表のようにはっきりと分かれていれば、まだわかりやすいのに、現実は決してそうならない。あるひとにとっての嘘があるひとにとっての真実であり、光の当て方によって、ひとつの物事であっても嘘と真実のパーセンテージはたちまち変わってくる。 主人公のイム・サンジンは実に鼻っ柱の強い社会部記 […]
嘘と真実がメダルの裏表のようにはっきりと分かれていれば、まだわかりやすいのに、現実は決してそうならない。あるひとにとっての嘘があるひとにとっての真実であり、光の当て方によって、ひとつの物事であっても嘘と真実のパーセンテージはたちまち変わってくる。 主人公のイム・サンジンは実に鼻っ柱の強い社会部記 […]
「大きな玉ねぎの下で」は、ロックバンドの爆風スランプが1985年のアルバムの中で発表したバラード。その後「大きな玉ねぎの下で ~はるかなる想い~」というタイトルでシングル・カットされ、今なお高い人気を持つ。私には「40年前の楽曲を、なぜ今映画のタイトルに?」という思いもあったのだが、物語を知ると、 […]
公開前から話題沸騰の一作といっていいだろう。「ショウタイムセブン」とは、テレビの国民的人気報道番組「ショウタイム7」のこと。かつて折本眞之輔という熱血キャスターが歯に衣着せぬ発言と態度で視聴者を痛快な気分にしていた番組だ。が、ある物事がきっかけで彼はテレビを降板。ラジオ局で活動している。が、ここに […]
映画に魅入られた人であれば――この映画をそうではない人が観に行くとも思えないが――、思わず「そうそう、そうなんだよ!」と膝を叩きたくなるに違いない。監督・脚本は、1960年フランス生まれのアルノー・デプレシャン。ここでは、彼の溢れんばかりの映画愛が、ポール・デダリュスというキャラクターに投影されて […]
地方都市でごく少数プレスされたレコードが、その数十年後に(高名なミュージシャン、評論家、DJなどによって)突然再評価されて広く話題となり、全国区で再発されて、それがまた新たなファンを獲得する源となって、そのローカル・ミュージシャン本人も活動を活発化させてゆく――特に“レア・グルーヴ”ということがら […]
3話で構成されたオムニバス作品。タイトルの『Moirai』とは、人間の運命をつかさどるギリシャ神話の三女神の総称であるという。ここでは二宮健、山西竜矢、荒木伸二の各監督が、実に想像力に訴える物語を紡いでいる。 最初に登場するのは二宮監督の『嗚呼、かくも牧場は緑なりけり』。私は展開に意表を突かれた […]
「映画づくりの過程」を見てゆく映画。といってもドキュメンタリーではない。楽曲「貴方の恋人になりたい」のTikTok再生回数が10億回を超えるバンド“チョーキューメイ”の麗、さらに武藤優汰、タカノアレイナ、大原奈子、千葉龍青が高校生に扮したドラマだ。監督・脚本・撮影・編集は中野晃太。麗は高校時代に中 […]
「恋愛と宗教」というテーマに正面から、だが重々しさを極力排しつつ向かい合った作品との印象を受けた。物語はソンクラーという土地で展開される。ここはタイとマレーシアの国境にある。つまり仏教とイスラム教の境でもある。かつては美しい砂浜があったそうだが、今は人工の岩が護岸用に置かれている。とはいえ、地元の […]
今はなき「九龍城砦」の画像を検索してから、この映画を観ることをお勧めする。追加建築を重ねまくってあまりにも独自な姿になっている感じも含め(レゴブロックなら、とっくに倒壊していたに違いない)、まさにその「九龍城砦」そっくりそのままだから(約10億円が投じられたとか)、私など、それがスクリーンの中で動 […]
あの『グレイテスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』のスタッフが関わっているミュージカル映画、とはいっても、誰かと一緒に観に行く場合は要注意かもしれない。下ネタ満載の作品だからだ。そもそも「ディックス!!」の「ディック」とは、往年の日本の名歌手ディック・ミネの芸名の由来になったという「ディック」、 […]