映画『あんのこと』が6月7日(金)より新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほか全国公開となります。このたび本作の公開に先立ち、5月8日(水)に完成披露舞台挨拶付先行上映会を行い、主演の河合優実、共演の佐藤二朗、稲垣吾郎、入江悠監督の実力派キャストらが登壇いたしました。
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「少女の壮絶な人生を綴った新聞記事」をベースに描く、衝撃の人間ドラマ『あんのこと』がついに完成! 5月8日(水)には都内で完成披露舞台挨拶付先行上映会が実施され、主演の河合優実、共演の佐藤二朗、稲垣吾郎、そして入江悠監督が登壇した。
苦難の人生にもがく主人公・杏を演じた河合。待ちに待った初お披露目に「沢山のお客さんの温かい拍手を頂き、今から1年半前に撮影した作品ですが、皆さんの元に届くんだということを実感しています」と感慨を込めて挨拶した。実話をベースにした物語ゆえに「実在する方のお話ということが最後まで自分の中で大きかったです。強い気持ちで大切に触らないとできないものだと思いましたし、脚本からは入江さんが同じ気持ちで覚悟を持って書いたという“気”のようなものを受け取りました」と振り返った。
杏(河合)を救済しようとする刑事・多々羅を演じた佐藤。「撮影中は、不遇の少女を救うという多々羅の気持ちは本気だという思いを終始一貫して念頭に置いていました」とシリアスな役柄だと回想すると、稲垣は「ここにいる二朗さんも河合さんも、そして吾郎さんもスクリーンにはいません!」とそれぞれが与えられたキャラクターを生きたと証言した。これに佐藤は「良いことを言うじゃん、吾郎ちゃん!」と膝を打ち、稲垣も「観客の皆さんにもその覚悟で観てもらえたら成功ですね」と期待していた。
杏や多々羅と交流する新聞記者・桐野役の稲垣。「脚本を読んで胸が張り裂けそうな思いで衝撃を受けた」といい「撮影中は杏ちゃんの心の声を皆さんに届けたいと演じました。この物語はまさに“あんのこと”だけれど、僕らにも実際に起こり得ること。そんな絶望に陥っている時に手を差し伸べる世の中を作っていかなければと、本作を通してつくづく感じました」と人生観に影響を受けていた。
実話から着想を得た物語を初めて手掛けた入江監督。演出するにあたっては「杏のモデルになった方は20歳。それを僕のようなおっさんがわかったような目線で描くと痛い映画にしかならないと思ったので、杏については河合さんにゆだねたところが多いです。それは二朗さんや稲垣さんも同じ。皆さんが脚本に共鳴してくれていたので、どのように演じてくれるのか楽しみに見ていた感覚がありました」と話した。
衝撃の実話をベースにした内容だけに「撮影中は和気あいあいと撮っていた記憶があったけれど、今日お二人と話してみると、こんなに楽しくは会話していなかったなと思った」と河合。佐藤が「今日会う河合優実が明るく見えたので、1年半前の現場では杏を背負っていたのだと思う」としみじみ語ると、稲垣も「当然と言えば当然なことですよね」と座長の熱演を労っていた。改めて河合は、演じた杏について「これまでもこれからも特別な役になりました。本作を経験できたことは大きかったし、今後の人生において色々なことがこの先あるだろうけれど、この作品をやったということが自分の糧になって経験自体も支えになると思っています」と噛みしめていた。
また佐藤は思い出深いシーンとして、河合との高架下でのシーンを挙げた。その撮影に入る前、佐藤は河合から両手を包まれるように握られたという。大事なシーンの前に相手役である佐藤の体温を感じたかったのが理由だそうで、これに佐藤は「後輩にこんな事をされたら、絶対にこのシーンは外せないと思って良いシーンにしたいと思った。ある意味で僕の方が彼女に感謝している」と大感激。このエピソードに稲垣も感嘆の声を上げたのだが、しかし当の河合は本編上映前ということもあり「あまり言うと、それを思って皆さんが映画を観てしまうから…忘れてください!」と客席に向けて訴えると、佐藤は平謝りで、稲垣に至っては「ごめんね!僕らが“不適切”だった!」と河合が出演した話題作『不適切にもほどがある!』にかけて狙ったかのように謝罪。「あ、使っちゃった!」と白状して場内大爆笑となった。
映画の内容にちなんで「運命を変えた、人生の転機となった出会い」を発表。河合は俳優業を志した日に偶然DMで誘われた自身初の自主映画出演を挙げ、佐藤は「妻!」と愛妻家の表情を浮かべた。一方、稲垣は「中学二年の頃からこの業界にいるので、これまで一緒にやって来たメンバー。グループは解散しているけれど、草彅剛さんや香取慎吾さんとはやっているのでこれは凄いこと。30年以上やっているわけですから。3人で新しい地図としてファンミーティングをしているけれど、そこに来てくれるお客さんもデビュー当時から来てくれている方とか、親子3世代の方もいるわけで、それはとてもありがたい」とメンバーやファンを運命の出会いの相手だと表現。入江監督は29歳の頃に出会った本作の國實瑞惠プロデューサーの名前を挙げた。
最後に主演の河合は「全員で大切に思って真剣に作った映画です。この作品を通して受け取ったものや考えたものを持ち帰っていただけたら嬉しいです」と呼び掛けていた。
映画『あんのこと』
6月7日(金)より新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほか全国公開
<STORY>
21歳の主人公・杏(河合優実)は、幼い頃から母親に暴力を振るわれ、10代半ばから売春を強いられて、過酷な人生を送ってきた。ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅(佐藤二朗)という変わった刑事と出会う。大人を信用したことのない杏だが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていく。週刊誌記者の桐野(稲垣吾郎)は、「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていた。ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされる──。
出演:河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかり
監督・脚本:入江悠
製作:木下グループ 鈍牛倶楽部 制作プロダクション:コギトワークス 配給:キノフィルムズ
(C) 2023『あんのこと』製作委員会
公式サイト
https://annokoto.jp/