ターゲットは南北両首脳。「韓流の始祖」と語り継がれてきた名作がリマスターで復活。『シュリ デジタルリマスター』

 韓国映画が日本で上映されることがまだ、どちらかというと珍しかった2000年に公開され、興行収入18億円を突破する大ヒットに。当時、劇場で体験して、妥協のないアクション、ドラマティックなストーリー展開、そこにふりかけられたラブストーリー風味の融合に心を熱くした方も多いのではなかろうか。そう、あの『シュリ』(韓国では1999年に公開)が、『シュリ デジタルリマスター』として9月13日より劇場公開される。

 「ある程度の時期」までは多くのひとに見られてきた作品だけに、物語の展開について述べている資料やサイトも多いはずだが、「2023年の現在、ストーリーの着眼点がますますリアリティを帯びている」と私は感じ、「心ならずも故郷を南北に分断された者たちが、果たして心を一つにして脅威に立ち向かえるのか」、ハラハラしながら最後まで目を離せなかった。ハン・ソッキュ、ソン・ガンホ、チェ・ミンシクらの若き日の姿に、約25年の歳月の流れを感じるとともに、ラストシーンの「新しさ」「衝撃」に目を見張らされた。英国のジャズシンガー、キャロル・キッドが歌うエンディングテーマ「When I Dream」もやけに耳に残る。

 先ほど「ある程度の時期」までは、と書いたのは、長くこの映画の劇場上映・配信などが権利上の問題で不可能となり、いわば幻と化した状態が続いていたからであるが、このたび、カン・ジェギュ監督をはじめとする面々の尽力によって、ついに4Kデジタルによるリマスターのうえ、劇場に還ってきた。まさに快挙である。

映画『シュリ デジタルリマスター』

2024年9月13日(金)シネマート新宿 他全国ロードショー!

監督・脚本:カン・ジェギュ
出演:ハン・ソッキュ、キム・ユンジン、チェ・ミンシク、ソン・ガンホ
主題歌:When I Dream(キャロル・キッド)
1999年/韓国/カラー/125分/ドルビー・デジタル/PG12/字幕翻訳:根本理恵
配給:ギャガ
(C)Samsung Entertainment

公式サイト
https://gaga.ne.jp/shuri4K/