「ミライスカート+」、デビューからの年月を振り返りながら、京都nanoを爽やかな歌声で満たすカウントダウンライブを披露

 児島真理奈のソロユニット・ミライスカート+(プラス)が9月15日(日)、京都にあるライブハウス「Live House nano」にて、ワンマンライブ「ミライスカート+ 十年総決選!」を開催。およそ100分という長丁場のステージであったが、児島は往年の勢いそのままに、飛んで跳ねて回って笑って(ファンを)いじってのパフォーマンスを披露。彼女の麗しい歌声が会場を満たし、この日、この企画のために集まったファンの耳を大いに潤していた。

 さて、本ライブは、ミライスカート/ミライスカート+における、4人組時代の楽曲、未発売楽曲、“ソロ”になってから&“+”になってからの楽曲を含め、児島真理奈が駆け抜けてきたこの10年の間に歌唱した持ち歌全44曲の中から、ファンに投票してもらって決まった上位15曲を、カウントダウン形式で歌唱していくというもの。

 ここnanoでは別途年末に、その一年間に聞いた楽曲(リリースされたものに限る)を投票する年末総決選も開催されているが、今回は、年度、リリースの有無を関係なしに、純粋にファンが好きな曲を投票するというところが違いで、古参ファンの、新規ファンの、それぞれの思いが感じ取れる素敵な結果となっていた。児島は、歌唱に続いて、その楽曲にまつわる、あるいはその当時の思い出を語り、自らが駆け抜けてきた10年の秘された心情を、明るい表情で明かしていた。

 さて、投票の結果を先に書いてしまうと、下のようになる。

1位  「ナモナイオト」(2015年リリース)
2位  「あなたとなら」(2019年リリース)
3位  「逆境ガール」(2017年リリース)
4位  「Stardust Parade◇」(2022年リリース「Hira☆Fuwa」収録)
5位  「Hira☆Fuwa」(2022年リリース)
6位  「COSMOsSPLASH」(2015年リリース)
    「Beautiful Days」(未発売)
    「おねがい」(2015年リリース「COSMOsSPLASH」収録)
9位  「下弦の月」(2023年リリース「Li’a n Tones」収録)
    「一秒前のシンデレラ(別名:0時の魔法」(未発売)
11位 「ミーゴ!ゴミーゴ」(未発売)
12位 「MIRAI ROCKET」(2023年リリース「Li’a n Tones」収録)
    「鉄則Aライン」(未発売)
14位 「カガヤクイノチ」(2020年リリース「C3Tones」収録)
    「ハナビ」(2017年リリース「逆境ガール」収録)

 オープニングは、この夏(8月か?)から使い始めている新SEで、往年(4人組時代)のメロディを思い出させつつも、未来を感じさせるように盛り上がっていくメロディラインが特徴的なもの。そんなSEに続いて披露されたのは、上に記したように、冒頭に歌唱するのは珍しいバラード曲。「カガヤク~」は、ミラスカ共演アイドルのファンが好きと言ってくれることが多いそうだ。「ハナビ」と言えば夏の曲で、浴衣とセットで歌唱することも多いのだが、この夏には特に苦い思い出があるそうで(笑)、児島にしては珍しく愚痴(?)をこぼしていた。

 12位の「MIRAI~」あたりから会場のファンのハートも暖まってきたようで、大きな声援が巻き起こるようになり、「鉄則Aライン」では、懐かしの「おっおっおっおー」という掛け声も綺麗に声が揃い、同曲が披露された当時(2015、2016年あたりか)の会場の盛り上がりを思い出すようであった。続いてはなんと! 児島がかねてよりファイバリットソングと声高に宣言していた「ミーゴ!ゴミーゴ」が単独で11位に入っていて、「感動したよ、(みんなを)信じて10年やってきてよかった」と大きな笑顔を見せ、「鴨川の観光大使になって、鴨川を綺麗にする活動を永年にわたってやっていきたい」と意気込んでいた。

 12位の「鉄則~」については、いまだから言えるという体で、同曲への想い・愛を存分に語ってくれた。詳しい内容は、その場にいたファンの胸にそっとしまっておくのがいいかもしれない(ここでは詳述しない)。

 9位の「下弦~」「一秒前の~」については、秘話(?)も盛りだくさんで(笑)、「下弦~」と、今回の得票には入っていないが「きょうのゆめ」は、海外向けに作られた曲ながら、主に台湾では「千年少女~Tin Ton de Schon~」の方が人気を集めているのだとか。といいながら、「千年~」は得票が0という結果だったそう。「一秒前~」は、もともとはAKIBAカルチャーズ劇場主催の新人アイドルオーディション企画「デビュー直前アイドル5組新人公演2015」用に作られたもので、当初はタイトルが違っていて、途中から「一秒前~」に変更されたのだが、結局リリースされていないことから、児島的には「どっちでもいいかな」とか。下の写真は本人に怒られるかもしれないが、2015年「デビュー直前アイドル5組新人公演2015」の会見に出席した際のもの。右が「鉄則Aライン」の件で話していた衣装(と思われる)。

 5位からは単独の得票となっていて、4位の「Stardust~」については、当初から強い曲と感じたそうで、アルバムの表題曲にならなくても(ファンに)見つけてもらえるという感覚を得ていたそう。結果として、年末総決戦の1回目の1位を獲得するなど、ファンからの評判も高く、「(この曲を)見つけてくれて嬉しいよ」と素直に喜んでいた。

 3位は「逆境ガール」だ。2017年6月30日、当時メンバーだったHが突如、グループの卒業と芸能界の引退を表明。一人になってしまった児島は翌日の7月1日、AKIBAカルチャーズ劇場で行われた定期公演に一人で登壇し、その心情を吐露していたが、その時の決意がいまに繋がっている。当時のコメントを抄録すると、次のようになる。

「私は一人でミライスカートをやるって決めて、私一人で運営しながら(活動を)続けるって決めました。不安でいっぱいですけど、ステージに立ち続けて、楽しいライブを創っていきます。頑張りますので、これからも宜しくお願いします」。

 「逆境ガール」は、当日(7/1)披露することを予告していたが、そういう状況であるため、中止に。リリイベも全部なくなってしまったのだが、「絶対に出します。頑張ります。待っていてください」と力強いコメントを発していた。

 当時は、天の助けもあり、急遽「on and Go!」とのコラボユニット「ミライスカートwith on and Go!」が結成され、TIF2017、@JAM EXPO 2017への出場が実現。当時TIF2017(8/4)では、「逆境ガール」カップリングの「Mirror Ball」が歌唱されたのだが、何の説明もなく、謎の新曲として記事化したのを覚えている。東京で「逆境ガール」が歌唱されたのは、記憶では8/26開催の@JAM EXPO 2017のステージにて。まさにいま置かれている状況を体現しているかのような印象を、強く受けた。

 という背景があっての「逆境ガール」なのだが、今日の児島は、会場に「ハンナリ☆スター」好きのファン(?)を見つけて、「(入っていなくて)テンション下がってない? しょんぼりしてるのが気が気でなくて……」といじる場面も見られるなど(笑)、すっかり過去の話となっているようだ。ちなみに、2018年12月に東京で行われた定期公演では、「(逆境ガールを)これまでは逆境を超えてやると思って歌っていたけど、今日は逆境って何? という感覚になった」と語っていた。そして、2019年9月の東京定期では、歌詞の合間に「逆境を乗り越えたんです」と力強いコメントを発し、新たな児島を見せつけていた。

 さて、2位は朋友イエハピのさやかが作詞を担当した「あなたとなら」だ。この曲については多くを語る必要もないと思われるが、蛇足すればこうなる。2017年にソロとなった児島は、翌2018年にようやく東京での定期公演を復活させていたが、欠けていたピースが新曲だった。そんな彼女に手を差し伸べてくれたのが、田中食品のスポンサード曲「旅行の友」(2018年3月披露)であり、それを収録したのが、同年10月にリリースされた「あなたとなら」となる。さやかの紡いだ歌詞を一言一言かみしめるように(同時にハンナリ☆スターファンをいじりながら)歌唱していた。

 そして、いよいよ最後、投票の一位を飾ったのは、始まりの曲「ナモナイオト」だ。いろいろと曲の感想も口にしていたのだが、衣装のファスナーが壊れた話の印象が強すぎて! 最後まで児島節も全開のまま、大盛況のカウントダウンライブは終幕となった。

 なお、16位以降の順位については下記の通りとなっている。
16位 「メトロポリタン」(2023年リリース「Li’a n Tones」収録)
17位 「ハンナリ☆スター」(2015年リリース「ナモナイオト」収録)
    「Melody」(未発売)
19位 「Moving Light」(2020年リリース「C3Tones」収録)
    「きょうのゆめ」(2020年リリース「C3Tones」収録)
    「メグリメグル」(2015年リリース「COSMOsSPLASH」収録)

 また、ミライスカート+の今後の予定は下記の通り。
・9月22日(日) 第7回西金プリンスロードまつり&能登応援グルメフェスタ
・9月23日(月・祝) 朝練サーヤプレゼンツ「おふろバーin上方ビール」
・9月24日(火) ミライスカート+ソロ7周年リリース記念パーティー!」
・9月30日(月) 女子箱#413(★重要)

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