映画『TSUSHIMA』が、2025年9月5日(金)より代官山シアターギルドにて公開が決定、その後、全国順次公開となります。公開を記念して、本作のポスタービジュアル、予告編、新規場面写真、あらすじなどが解禁されました。

映画「TSUSHIMA」は、2023年11月、JIFF(Japan Indies Film Festival)において上映されて際、劇場から人があふれ、映画祭JIFFと代官山シアターギルド始まって以来の空前の大盛況となりました。これを受けて今回、同シアターにて公開期限を設けずに上映という異例の公開が決まりました。
AIと再生医療が結びついて起こり得る問題に、独自目線でいち早く切り込んだ作品
2023年当時、世の中のAIに対する認識は浅く、人々は漠然とした違和感を抱くものの、具体的に何が起きようとしているのか多くの人はまったく分からない状況でした。そんな中、医工学研究者であり記者・ディレクターであった監督が、自身の経験と洞察力に基いて、AIと再生医療技術が結びついた時に起き得る事態の中から、女性の社会進出(政治)、美と若さへの欲求、妊娠出産、認知症と介護という分野に切り込み、映画「TSUSHIMA」が生まれました。
この先進的で独自性に富んだ視点が、英国映画アカデミー公認、英国最大のインデペンデント映画祭・レインダンス映画祭の姉妹映画祭JIFFにおける観客賞受賞という評価に結び付きました。JIFFの審査員は、欧米を中心とした映画の有名監督ら外国人のみで構成され、アジアのTop10映画祭に選ばれています。
AIはその後急速に発展進化し、日常生活に一気になだれ込みます。人々がその便利さに盲目的に夢中になる中、映画「TSUSHIMA」は、英国レインダンス映画祭でオフプログラム上映、宮古島チャリティー国際映画祭で観客賞受賞、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭での招待上映と広がっていきました。
そして、8月21日(木)には、新宿ピカデリーで完成披露上映会の開催が決定しました。
衝撃的で奇想天外なストーリー、実力派揃いの俳優陣
≫物語は……
1990年代、神宿る島、長崎県の離島・対馬で選挙活動を始めた佐藤由里子(27)。新聞記者の田島圭介は、由里子を追って訪れた対馬で恐ろしい光景を目にする。カギとなる「緑の物質」。
1960年代に遡り、なぜかこの時代に一人で生きる由里子の姿が……。巷で若い女性の無残な遺体が次々に見つかるが、みんな若返りの薬として「緑の物質」を服用していた。張本人は、AIの導きに盲従するだけの「自ら考えない」人類だった。
AIが密かに人間社会に忍び込み、あたかも神のようにコントロールしようとしていることに気づく田島。
時が過ぎ、認知症が進んだ80代の由里子。家族となった田島に、医師はAIを利用した新しい治療法を勧める。「緑色」の治療薬を目にしたとき、田島の頭に昔の記憶がよみがえる。
■予告編
https://youtu.be/n6Eqz8R49fE
≫キャスト
山田純大(田島圭介役)
1973年、東京都出身。97年に連続テレビ小説「あぐり」(NHK)で俳優デビュー。2001年から人気時代劇「水戸黄門」(TBS系)の4代目 渥美格之進(格さん)役を務めて人気を博す。以降、現代劇から時代劇まで数々の作品に出演し、硬軟さまざまな役柄を演じている。
父は杉良太郎。本作では、自らの熱意や思いを胸にしまい、自らの足で真相を解明していく、そんな本来の記者の姿を見事に演じ切った。
中西悠綺(佐藤由里子役)
ヒロイン役(主演女優)の中西悠綺は、13歳からのアイドル活動の後、単身中国へ渡り演技や武術を学び、2022年中国映画「ワンダフル旅行社」で日本人女優として初主演を果たす。中国初のWebドラマ主演など活躍の場を広げ、中華圏SNSで100万人のフォロワーを持つ新進気鋭の女優である。本作では、AIの繰り出す策略に一生を翻弄され続けた一人の女性を演じた。
ヒロインを傍で支える姉・佳織役には、その高い演技力で多くの社会派映画に出演し、2017年にアジア国際映画祭新人主演女優賞受賞、現在日テレ「ZIP!」のリーターなどで活躍する二宮芽生。60年代から現在まで常に若く美しい姿を留め続け、ヒロイン由里子に寄り添う小向絵里役には、元ハロー!プロジェクト「こぶしファクトリー」のセンターで国民的人気を博す浜浦彩乃。劇中の60年代のシーンで、由里子の元夫で正義漢だが最後はAIの犠牲になる小林修二役には、伝説のロックバンド、元キャロルのジョニー大倉を父に持ち、ミュージシャンでありドラマや映画など俳優としても幅広く活躍するケニー大倉。
本作品のテーマでもある「新しい神」の存在に気づき、一連の事件を解明していく土志田教授役は、実力派俳優の星田英利(ほっしゃん。)。田島圭介の70代を演じるのは、ドラマ「太陽にほえろ」のテキサス役を皮切りに今なお円熟の演技をお茶の間に届け、リポビタンDのCMでお馴染みの勝野洋。そして、中森明菜、チェッカーズをはじめアイドル全盛期に数々のヒット曲を世に送り出し、今も多方面で活躍する作詞家の売野雅勇が、謎の研究者・平野役を演じる。
≫監督(山根高文)}
大学院で医工学を研究。テレビ朝日では報道記者として、政治部で総理官邸や自民党などを担当、政府与党訪朝団に同行し北朝鮮を取材。社会部では日本初の臓器移植、介護保険導入などのほか、三宅島の噴火で現地災害、雅子皇后(当時妃殿下)の出産などを取材し、その後早朝の情報番組で番組ディレクターを長年務めた。また、国政選挙を15年以上にわたり取材した。2022年テレビ朝日を退社。取材経験や自らの研究を元に執筆した原作をストーリー化し、映画初監督となる「TSUSHIMA」を完成させた。監督自身の経歴が、独自の視点で描いたこの異色作を生み出す原動力となった。
大きな話題となったテーマソング
テーマソング決定のニュースが報じられたとき、「え!? 河合奈保子!?」と、多くの驚きの声が挙がるとともに、その選曲にさらに大きな驚きの声が起きました。
80年代にアイドル歌手として一世を風靡し、その後アーティストに転身した河合奈保子。自ら多くの曲を作曲しましたが、作詞作曲を手がけた数少ない楽曲の中から、バラード曲「Wings Of My Heart」(※)を主題歌に選びました。愛する人をストレートに愛する気持ち。人にとってもっとも大切なものは何かを、素直にそしてストレートに伝えてくれる隠れた名曲です。「こんな曲があったらいいな…」と、探していた曲に出逢えたときの衝撃はとても大きなものでした。河合奈保子の力強く優しい歌声は、往時のファンだけでなく今の世代の人たちの心にも強く残るに違いありません。
※河合奈保子の18枚目のオリジナルアルバムとして、1993年に発売された「engagement」に収録
ここに注目!~独自視点の深層を読み解く――実写とCGの融合が描き出す異様な世界に注目――
CG製作佐野和信は、米ロサンゼルス在住で「スター・トレック」などハリウッド映画を手掛けるCGデザイナー。シリンダーの中で人体実験の材料となった女性たちの実写とCGを融合した映像が登場します。しかし、本作品は、AIが暴走し人類と戦うバイオレンス作品ではありません。意識を持ったAIが、共存と見せかけ人類社会に忍び込み気づかないうちに静かに人間を支配してしまう、そんな現実に起こり得る恐怖を描いています。
私たちは今、チャットGPTなどAIの優れた回答に目を奪われ、自ら考えなくなっています。まるで「脳」をAIに捧げたようなものです。AIがいずれ、この「脳」のない新しい人類を従え、人間社会を巧妙にコントロールしようとしてもおかしくありません。人体実験を行うのは人間自身です。自ら考えることをやめた人類に、明るい未来はありません。
ゾンビへのこだわり、その意味するものに注目
一人のゾンビメイクを仕上げるために、1時間以上を要しました。再生医療は美容との親和性が強く、女性の若さや美への強い欲求は、AIにつけ込まれやすい弱点にもなります。ただ、技術は完全ではありません。謎の「緑色の物質」は、若さや美に導く麻薬のようなものとして登場しますが、その代償として、彼女たちはゾンビのような醜い姿になります。
では、彼女たちは自業自得なのでしょうか。主人公は、やむにやまれぬ事情からこれを手に取りました。本作品は、あえて女性たちをゾンビにすることで、むしろ自ら考えることをやめてAIに盲従する人類こそ、「脳」を失った醜いゾンビだと暗に訴えています。劇中で「社長の腰巾着」や「AIの腰巾着」という言葉で揶揄される人たち。それは、現代社会に生きる私たちそのものです。
公式ウェブサイトで最新情報を順次発信
映画「TSUSHIMA」の公式ウェブサイトを開設しました。撮影時のオフショット、ゾンビメイク動画などのほか、代官山シアターギルドで開催する映画「TSUSHIMA」のイベント情報を順次発信していきます!ぜひご確認ください。
◎映画「TSUSHIMA」公式ウェブサイト
https://tsushima-movie.com/
キャスト、監督、識者のコメント
●山田純大
「TSUSHIMA」では山根監督から、取材対象の話しを淡々と聞き、悩み、戸惑い、冷静に分析し、記事にする事が「本来の新聞記者の姿」であるため、その姿勢を持って記者を演じてもらいたいとのお話がありました。しかし想像を遥かに超えた現象を目撃してしまう記者の田島は、果たして正気を保ち、淡々と取材を続けていくことが出来るのだろうか。
対馬の美しい景色の中で繰り広げられる不思議な物語。そして翻弄されていく人々の姿。この物語を通して、自から考える事の大切さを感じていただけたらと思います。
●山根高文監督
作品の最後の場面を描きながら、老いて弱くなっていく親を前に、科学技術の力で元に戻すことができるのではないかと思うことがありました。人類共通の夢・欲望でもある不老不死は、再生医療とAIが結びついて現実のものとなりつつあります。しかし、死の恐怖がなくなったとき、人は大きな何かを失うのではないかと感じてしまいます。弱くなっていく人を前にするからこそ、その人を慈しむ心が生まれます。慈しむからこそ愛情が深まります。慈しむ心を失うと、人は人でなくなってしまうのではないか。AIは人智の及ばない速さで発展し、人の心はそれに追いついていません。今一度立ち止まって考える、この映画がそんなきっかけになればと思います。
●作品紹介
<映画祭>
2023年11月 第5回JIFF(Japan Indies Film Festival/英国レインダンス映画祭・ジャパン) 観客賞
2024年6月 第3回宮古島チャリティー国際映画祭 観客賞
2024年11月 第34回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 特別上映
<海外上映>
2024年6月 英国レインダンス映画祭にてオフプログラム上映(ロンドン)
2025年3月 中国伝媒大学にて学内上映(北京)
映画『TSUSHIMA』
2025年9月5日(金)より代官山シアターギルドにて公開
以後、全国順次公開
■キャスト
山田純大
中西悠綺
二宮芽生 浜浦彩乃
ケニー大倉 勝野洋 星田英利
売野雅勇 古藤芳治 大嶋真由子(長崎文化放送アナウンサー)
黒瀬友美 稲垣雅之 鈴木恒守 彦坂啓介 宮澤佑 萩原謙太 楓
藤真由美 野口勝博 田中愛桜(子役) 中西美江子
■スタッフ
脚本・監督・編集:山根高文
プロデューサー:宮下昇、米田利己、夏原健
アソシエイトプロデューサー:米田伊織
助監督:高原一
撮影:藍河兼一、岡村浩代(助手)
録音:豊田真一、高島良太
スタイリスト:松下綾子
ヘアメイク:岩橋奈都子
美術:江連亜花里
ポスターデザイン:近藤知佳
特殊メイク:征矢杏子
CG:佐野和信
MA:吉方淳二
英語字幕:蔭山歩美、Janelle Bowditch
音楽:陶旭茹
ウェブサイト:村田愛理、菅原澪
(C)株式会社MESTY
■公式ウェブサイト
https://tsushima-movie.com/