「九州女子翼」、今年2度目の東京定期は、歌唱力とダンスパフォーマンスがもう一段アップした極上のステージング

 九州発のガールズグループ 九州女子翼が3月21日(日)、毎月恒例の東京定期公演「九州女子翼定期公演 第三十五片 in 東京」を、秋葉原のAKIBAカルチャーズ劇場で行なった。最年少メンバーの山本愛理は、先週高校を卒業したばかりであり、自身曰く、「サブタイトルは“愛理 高校卒業記念ライブ”のライブだと思っています」と笑顔でコメントしていた。

 今回は、昨年夏にグループからの卒業を発表した新谷香苗の卒業ライブ日程が発表されてからの東京での初のライブということあり、各メンバー、強い意気込みのもと、東京に遠征してきたようで、その想いはステージ上での表現力にうまく転化され、極上のパフォーマンスが堪能できた70分となっていた。

 緊急事態宣言下ということもあり、今回も2幕構成でのステージ。まず1幕目は恒例の「ソロカバー曲コーナー」だが、選曲もかなり攻めたものとなっており、各メンバーの個性・魅力がより味わえる構成に。そして、その要請に応えたメンバーのもう一段アップしたパフォーマンスが楽しめるものとなっていた。

 トップバッターの実玖は詩絵里と鈴川瑠菜を従えて、アイドルの王道曲を披露。歌声も衣装もしぐさもザ・アイドルという雰囲気で、ファンは大いに魅了されたことだろう。詩絵里と鈴川は曲中に、会場中央の花道?を通って退場した。

 続く詩絵里は、マイクスタンドを使ったパフォーマンス。アメリカンな感じの衣装で、足を彩る網タイツは、往年の中森明菜を想起させる色っぽさ。今回はボイスエフェクト(ディストーション・歪ませる)を使用しているが、それが嬉しかったのか、感情が旋律に乗り、歌詞の情感を表情いっぱいに表現してくれていた。声が少し太くなっただろうか。

 鈴川は、王道アニソンを披露。一人カラオケの成果も充分に発揮されているようで、声質は少し低域側にシフトしているようにも感じるが、声の再現域は高域側にも広がっているようで、低域から高域まで瑞々しい歌声。表情にも感情が乗り移ったかのような、多彩で豊かな雰囲気が味わえるものとなっていた。

 山本愛理は、先週の福岡定期当日(3月13日)に高校を卒業しており、手には卒業証書を収めた元学生のファンには懐かしいアノ筒を持っている。そして肩にはオレンジ色のマントを羽織り、まさに曲タイトルのような「ヒーロー」という出で立ちでステージング(笑)。一カ月ぶりの歌声は、この曲を聞く限り、声の再現域が上へとシフトしているようで、澄んだ高域が堪能できた。曲中には、メンバーからの卒業の祝辞という寸劇も披露された。

 最後は、定期公演オリジナル楽曲「ギュッと手を繋いで」を披露して終了だ。メンバーの声質も低域よりの詩絵里、鈴川、高域よりの山本、実玖という構成になってきたようで、ハーモニーも厚みが増し、よく通る歌声による歌唱が楽しめるようになっていた。

 さて、続く2幕目はライブ本編だ。女子翼の真っ赤な衣装に着替えて、「絶対零度」「NON-STOP-KYUSHU」「fruits music」と、荘厳なものから賑やかなもの、ポップなものまで多彩な構成。各自ソロパートの安定度も格段にアップしており、それは斉唱部分の厚みにも貢献が大きく、結果、グループとしてのパフォーマンスに大きく寄与する進化を遂げているのが分かった。

 MC部分では、女子翼への加入3周年を迎えた鈴川と、高校を卒業しプロアイドルとなった(?)愛理プロがスパーク(笑)。うれしさを喋りまくっていた(それに気圧される 実玖・笑)。

 後半戦では、「Welcome To The Music」で勝ちあげ、「fair wind」「空への咆哮」ときて、本編は終了。印象に残ったのは山本の歌声で、ファンへの煽りもかつては巻き舌全開のコールをしていたが、最近ではノーマルタイプへと変更したようで、言葉の一言ひとことをはっきりと聞き取れるようになった(失礼)。

 アンコールに応えては、卒業ライブが4月10、11日(詳細後述)と決まり、東京へのファンへの挨拶が叶わぬまま卒業となる新谷香苗の愛を、メンバーの歌声に載せて「I Am Love」を歌唱して終了した。

 先述したように、新谷香苗の卒業ライブは、4月10日(福岡定期公演に内包 2部構成 チケットはソールドアウト)と11日(卒業セレモニー&ライブ)に福岡で開催されることが決まった(@ベイサイドライブホール)。現地にいけるファンはぜひ、最後の姿を目に焼き付けてほしい。

 また、AKIBAカルチャーズ劇場での東京定期の4月クール(4月~6月)の出演が決まったといううれしい報告もあった。 なお、今回の東京遠征では、定期公演のほかに、インストアライブも2回予定されており、22日はHMV BOOKS SHIBUYA(渋谷)、翌23日はタワーレコード池袋店にて、彼女たちに会える機会があるので、気になる方はチェックしてみてほしい。

九州女子翼 https://twitter.com/ITR_KGW
実玖 https://twitter.com/itr_miku
新谷香苗 https://twitter.com/itr_kanae
山本愛理 https://twitter.com/itr_airi
詩絵里 https://twitter.com/itr_shieri
鈴川瑠菜 https://twitter.com/itr_luna