細川博司の妄想が爆発する舞台『The End Of 通勤急行 大爆破』、本日より29名の女性キャストで上演開始

 feather stageがおくる最新舞台『The End Of 通勤急行 大爆破』(5月29日~/@池袋・シアターKASSAI)の最終稽古の模様が5月28日、報道陣に公開され、各キャスト最後の調整に取り組んでいた(取材に入ったのはBチーム)。

 本作は、バンタムクラスステージの細川博司氏が脚本・演出を担当した全キャストがWキャストの作品。タイトルの“大爆破”からは、松本清張 張りのサスペンス性を感じるかもしれないが、その仕上がりのほどは、実際に劇場で確認してみてほしい。いかにも細川氏というその世界観に翻弄されるはずだ。

 さて、あらすじはこうだ。日々満員の電車(通勤急行)で通勤している3人の女性。立錐の余地もない空間に押し込まれ、仕事のストレスに加えてその混雑によって、ストレスも頂点に達している。そんなある日、事件が起きてしまう……。果たして、その場に居合わせた3人はどうなるのか? 事件は無事に解決するのか?

 一人=三船永遠(横道侑里)はコンビニのバイトで、日々来店する多数の客の要望に応えるために奔走している。しかし、ストレスよりもその様子を楽しんでいるよう。

 もう一人=渥美清子(草場愛)は、保険会社に勤める派遣社員。正社員の教育係を押し付けられ、日々かかって来る電話対応に手を焼いている。

 最後の一人は、保険会社の社員 稲場浩子(長谷川麻由)。渥美と同じ職場で働いているが、高圧的な態度で接している。

 そんな3人と事件を巡り、さまざまな登場人物が関係し、怪しい動きを発揮していく。事件を捜査するのは、名探偵風の出で立ちの津島(戸田早奈美)、その相棒の刑事・相葉(山中ゆうこ)、事件の起きた駅の駅員 早坂(國井紫苑)、狂言回しのような立ち位置にいる橋本(夢月)、そして天真爛漫な姉(三船永遠)を見守る妹・三船道代(稲田ひかる)などなど、周囲の人間も一癖も二癖もあるような人物ばかり。

 注目は、冒頭における三船永遠のモノローグ。ここをきっちりと記憶しておけば、最後の展開もすんなりと理解できるだろう。作りとしては、米映画『フィラデルフィア エクスペリメント』のよう。

 今回、作中の振付は中野裕理が担当しており、満員電車をイメージしたコミカルな動きも楽しめる。それを見て筆者は、WHY@DOLLを思い出してしまった(笑)。

 最後に、ゲネ終了後に行われたミニ囲みでのメインキャストのコメントを紹介したい。

●夢月
こういうご時世ではありますが、たくさんの方々のご協力のおかげで、初日を迎えられることができます。日々、通勤電車に乗っている人たちにリスペクトを持ちつつ、これからの(社会への)希望を込めて、しっかりと最後まで演じきりたいです。

●長谷川麻由
25歳の保険会社社員・稲場浩子を演じさせていただきます。年相応な役を演じるのはレアなので(笑)、ちょうどこのぐらいの年齢の子は、こういうストレスを感じているのか、と考えながら演じています。ぜひ、同年齢の女性の皆さんに見ていただいて、浩子が感じているストレスや悪夢に、うわぁ、嫌だなーという共感を持ってもらえたら嬉しいです。最後まで頑張ります。

●草場愛
全キャストがWキャストで、私はBチームに属しています。A・Bで仕上がりがガラッと違っていて、それぞれの良さがあると思います。Bについては、小屋入りしてからますますメンバー間の結束が強くなっているのを感じているので、本番が始まって、それがどんどん上がって行くのが楽しみです。作中のセリフで、来てくださる皆さんに夢をお見せできるように頑張ります。

●横道侑里
ここまで舞台を作り上げてきてくださった、スタッフ、キャストの皆さん、そしてファンの皆さんのおかげで初日を迎えられます。本当に感謝しかありません。そして、Aチーム、Bチーム、それぞれの色があって、同じ登場人物であっても一人ひとり異なっていますので、ぜひ両方のチームを見てほしいです。もっともっと気合を入れて、最高の作品を作りたいです。頑張ります。

●細川博司(脚本・演出)
この作品は、コロナ禍の今にあっても、日々通勤電車に乗っている方々への尊敬の念を込めて台本を作りました。というのも、僕も昔(会社員として?)、通勤していたことがありますけど、早々にドロップアウトしてしまって、今の仕事をしているからです。本作の登場人物は全員女性ですが、彼女たちが社会に出ていたら、こんな人生があったかもしれない、という物語にしてみました。一人ひとりが輝いている人生。僕は、芝居は役者が輝いているのが一番いいと思うので、作中では全員が輝けるように、それぞれに見せ場を作りました。全員が、自分が主役だと思って頑張ってほしい。

舞台『The End Of 通勤急行 大爆破』

5月29日(土)~6月6日(日)まで、池袋・シアターKASSAIにて上演

脚本・演出:細川博司(バンタムクラスステージ)
制作:feather stage

<あらすじ>
通勤通学のストレスのあまり、超能力に目覚めてしまった女性たちの苦悩。
そして、能力者をスカウトする謎の人物。
世界の終わりは、通勤急行から始まる…?
通勤急行は走る、世界の終点へ。

<キャスト>
Aチーム
星希成奏 永吉明日香 白宮奈々 沖田桃果 木村玲子 都筑あやめ 白木悠吏阿 三姫奈々 稲田ひかる 齋藤かずえ 設楽エリカ 有本鈴 日向ほの 馬渡直子 中野裕理

Bチーム
横道侑里 草場愛 長谷川麻由 夢月 山中ゆうこ 國井紫苑 宮崎優衣 石井ひなこ 稲田ひかる 花沢詩織 林奈央 笹田優花 阿久津千尋 栗野未悠 戸田早奈美

<公演日程>
5 月 29 日 ( 土 )13:00A/18:00B
5 月 30 日 ( 日 )13:00B/18:00A
5 月 31 日 ( 月 )14:00A/19:00B
6 月 01 日 ( 火 )14:00B/19:00A
6 月 02 日 ( 水 ) 休演日
6 月 03 日 ( 木 )14:00B/19:00A
6 月 04 日 ( 金 )14:00A/19:00B
6 月 05 日 ( 土 )13:00B/18:00A
6 月 06 日 ( 日 )13:00A/18:00B

<チケット>
全席自由席 6500円
(入場はカンフェティ券に明記されている整理番号順になります。)
カンフェティにて絶賛発売中!
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=61064&

公式HP https://feather-stage.com/
公式twitter https://twitter.com/THEENDOF2021