「九州女子翼」、2回目のアコースティックライブ出演！より進化した芳醇な歌声で会場に集まったファンを魅了

　九州発のガールズグループ九州女子翼が6月17日（木）、AKIBAカルチャーズ劇場主催の公演企画「acoustic letter LIVE」に2度目の出演を果たした。これは既報の通り、この4月より始まった企画イベントで、生バンドをバックに、4組のアイドルたちが週替わりで歌声を届けるというもの。

　九州女子翼は4月～6月開催の春公演への出演が決まっていたが、4月の出演後、5月は緊急事態宣言の発令によって中止に。同イベントには4月以来、2カ月ぶりの登場となった次第。

　基本の構成は前回と同じく、春にちなんだ名曲を、リクエストを含めて全11曲、ソロ、デュエット、4人での斉唱という形でファンヘ届ける趣向だ。初めに記してしまえば、4人の歌声の進化は素晴らしく、中でも今回は山本愛理が気を吐いた見事なステージを見せてくれた。詩絵里も、高域へとその歌唱域は広がり、澄んだ歌声が、安定した発声と艶のあるビブラートにて堪能できた次第。聞けば、ライブの中止が続いた4月、5月はみっちりと歌唱稽古を行ったそうで、今回のアコースティックライブは4人とも、その成果を遺憾なく発揮してくれた。

　本ライブは、歌声に加えて衣装も見どころであり、今回もすっかりレディへと成長した姿を、淡麗な装いでまとめあげていた。

　さて、オープニング曲の「春の歌」は4人での斉唱となるが、前回はやはり多少の緊張があったのだろう、今回は歌声の余裕度がまったく違い、どっしりと安定している。中でも山本愛理の声は伸びやかで厚みがあり、見事なもの。鈴川瑠菜も、前回に続き素晴らしい。

　続く「マリーゴールド」は、前回の詩絵里のソロから、今回は詩絵里＋実玖のデュエットに変更。詩絵里は、その歌声が格段に安定し、低域も高域も表現力が増している。語尾のビブラート的な響きも見事なもの。一方の実玖は、ショートになって磨きのかかったかわいらしさがさらに増し、表情の表現力もさらにアップしている（褒めていますよ、ちゃんと）。

　続いては、山本愛理のソロの「明日、春が来たら」だが、言葉の一音一音に感情が乗り、新たなスーパー愛理が堪能できた。すごいぞ愛理！

　実玖のソロの「未来へ」は、高域の伸びが美しく、その端正な顔つきと、シックな衣装とがあいまって、ザ・レディという雰囲気。ディナーショーも見てみたいものだ。

　ここで、ファンからのリクエストを応えて「猫」が4人の斉唱にて披露される。ソロ、デュエット、4人の斉唱と構成も楽しく、4人の歌声が綺麗に融合し、見せ（聴かせ）場も充分な仕上がりとなっていた。中でも、山本愛理、詩絵里の歌声が強く記憶に残った。

　続いては、大きな成長を遂げた詩絵里のソロパートであり、曲目は同じ「ひだまりの詩」だが、歌声はさらに厚みが増し、高域はより伸びている。後日、グループの新曲「LOCKON」を聞いた際、歌い出しをその詩絵里が担当していたが、その安定感は抜群であり、アコースティックライブでの成長が、持ち曲の進化へと結実しているのが如実に感じ取れた次第。

　「桜」は前回と同じく詩絵里＋山本愛理のデュエットとなるが、声の融合具合は一段と増し、メインの裏でフゥーとハミングする歌声の素晴らしさが記憶に残った。

　続いでも実玖＋鈴川瑠菜のデュエットで「春よ、来い」が披露されるが、声量も、ユニゾン的な歌い方も、各段に魅力が増し、確実に歌唱力がアップしているのが分かった。

　鈴川瑠菜のソロ歌唱の「変わらないもの」は、声量も、伸びも、表現力も、そのすべてが一段アップしたようで、6月7日のソロコンを成功させたその喜びが、身に着けた実力が、遺憾なく発揮されたようだ。6月27日には、AKIBAカルチャーズ劇場で、グループとして3月以来の定期公演が開催される予定だが、3部構成が復活した場合の2部のソロコーナーが、楽しみでならない。

　ラストスパートは、4人による「旅立ちの日に」と「ギュッと」の斉唱で終了。輪唱部分の裏声パート、各時のソロパートは綺麗に決まり、安定した歌声を届けてくれた。

　なお、6月27日には、九州女子翼を含め、「acoustic letter LIVE」の春公演に出演した4組による総集編が開催される予定となっている。