総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開するプロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」の第1弾が上映開始

 伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。“変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開。9月17日(金)より公開となるSeason1には、安藤政信、枝優花、武正晴、花田陵、三吉彩花、山下敦弘、そして419作品の応募の中から選ばれたクリエイター、西遼太郎、針生悠伺、藤原知之の3名が参加しています。

 この度、9月17日(金)新宿バルト9スクリーン9にて本作の初日舞台挨拶が行われ、安藤政信監督、枝優花監督、武正晴監督、西遼太郎監督、花田陵監督、針生悠伺監督、藤原知之監督、三吉彩花監督、山下敦弘監督と、山田孝之プロデューサーが登壇いたしました。
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 安藤は、初監督作のお披露目について聞かれると「素直に嬉しい。自分の作品のために素晴らしい芝居をくれた孝之や葵、撮影クルーに感謝しています」とコメント。タイトルの“桜”が劇中に登場しないが? との質問には「金沢でのロケハン時、『桜並木があるから』と連れて行ってもらったんです。でも行ったら咲いていなくて。これから咲くのかと思ったら、すでに散ったあとでした(笑)」と苦笑い。続けて「桜は登場しませんが、その代わり、ラストシーンで“桜色”を彷彿させる描写を入れました」と独自の美意識を明かします。

 安藤と同じく監督初挑戦となった三吉は「自分にとっての大きい変化が、誰かにとっては些細なことだったり、その逆もある。今回、プロのバレエダンサーである飯島望未さんに、主人公(山口まゆ)にしか見えていない“ニケ”という存在を演じていただきましたが、彼女の踊るシーンを一番美しく撮ろうと思ったし、観た方にも自分の変化を思い返すきっかけになって欲しいと思いました」と語り、最後は「監督業は初めてでしたが、迷いながらも伝えたい気持ちを込められたかなと思う。次は長編にもチャレンジしていきたいです」と意欲を見せました。

 同じく初監督組の漫画家・花田は、「漫画というのは、自分でコマを作って絵を描いていくもの。全て自分で決めていく作業であり、言い換えれば自分の能力を超えるものはない。でも映画というものは、素晴らしい役者さんとスタッフが集まって画面を作ってくれる。自分一人では絶対に生み出せない“画”ができあがっていくのは素晴らしい体験でした」と振り返ります。

 一方、枝、武、山下、3人の映画監督たちは「(『Petto』の)着想は、テレビで政治家がある発言が原因で世間から叩かれていたこと。彼はずっと前から同じような発言をしていたし、今に始まったことじゃない。そんな時、我が家で飼っている犬は散歩もせずだらだらしていて、人間がいないと生きられない。その時に、ペットと政治家が結びいたんです」(枝)、「監督作『暴れる、女』は、僕と脚本家の足立紳にとって10年越しの企画なんです。『百円の恋』より前の、何もしていなかった頃に2人で喫茶店でアイデアを出し合っていました。今の心境は『短編映画で終わらせてたまるか!』というか、長編にしたい気持ちがある。なので、これを観てもらって『続きが観たい』と思う方はぜひご連絡をください(笑)」(武)、「(脚本の向井康介や撮影の近藤龍人など)大阪芸術大学時代からの仲間たちと撮った作品。プロになる前から遊んでいたメンバーなので、若干照れ臭さはありました。第1弾が始まったばかりですが、商業映画がたくさん作られている中で、本シリーズのような“しがらみのない映画”も楽しんでもらえたら」(山下)と撮影の舞台裏を語ります。

 また、選定クリエイターの3人は、「就職をきっかけに九州から上京したものの、すぐにコロナの影響で仕事もあまりできなくなってしまって。そんな時に企画したのがこの作品。『充電人(じゅでんちゅ)』というタイトルの由来は、自分のメモ帳に1行、“充電人”と書いてあったのがきっかけ。その1行から設定や物語を膨らませていきました」(?)、「2014年に撮った、自分にとって初めてのショートムービー。スケートボードやトランスフォーマーなど、自分が大好きなものを詰め込みました。いくつかの海外映画祭で上映されましたが、国内ではあまり機会がなかったので、今回の企画は本当に嬉しい」(針生)、「コロナ禍で仕事がなくなったことをきっかけに作ろうと思った映画。一時期は劇中の映画監督と同じような苦悩に陥り、脚本が書けなくなりましたが、この悩みこそ映画にしてみようと思ったんです。『それでも映画を撮っていいんだよ』と言ってもらえるようなものにしたかった」(藤原)と満席の会場を前に、やや緊張しながらもそれぞれの思いを吐露します。

 そんな3人の初々しい舞台挨拶を見守っていた山田は、今回プロデュース業だけでなく、安藤監督作『さくら、』にも出演。「撮影は大変でした。安藤さんには常にマックスの状態でぶつかっていきましたし、そんな僕を安藤さんは全力で受けとめてくれました」と撮影を述懐。シーズン2以降で監督としても参戦する山田は「僕らが考えた面白い取り組みが、多くの方に支えられながらようやくスタートしました。9作品をご覧になった皆さんは、気になる監督や俳優を見つけたら、過去の仕事を振り返ったり、彼らのこれからを応援して欲しい。僕らは映像で何かを表現して、何かしらの気づきや感動を皆さんに提案することがメイン。こういう人たちがいることを忘れずに、これからのシーズンも応援していただけたら嬉しいです」と締めくくりました。

 新宿バルト9では18日から25日までの限定上映で、連日上映後には日替わりゲストを招いての舞台挨拶も実施いたします。

『MIRRORLIAR FILMS Season1』
9月17日(金)よりアップリンク吉祥寺、イオンシネマほか全国順次公開

『MIRRORLIAR FILMS Season1』予告編Youtube
https://youtu.be/Y03ScglZwMA