4月9日(土)、女優・夏帆が30代に向けて羽化する様子を、写真家・石田真澄が2年間追い続けた写真集「おととい」の発売を記念して、写真集購入者対象となるファンとのオンライントークショーを実施した。
2007年に主演作『天然コケッコー』で日本アカデミー賞新人俳優賞など多数の賞を受賞。その後、順調にキャリアを重ね主役から脇役まで多彩な役を演じ、どの作品でも目が離せない存在感を放っている女優・夏帆。映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』(2017)では連続殺人犯の動向に翻弄される被害者遺族、映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(2019)ではコンプレックスを抱える自称売れっ子のCMディレクター、『Red』(2020)では一切不自由のない生活ながらもどこか満たされずにいる主婦、ドラマ「ムチャブリ!私が社長になるなんて」(NTV)では主人公の親友で一児の母を演じるなど、シリアスからコメディーまで演じる役柄は多岐にわたる。
撮影を担当するのは、石田真澄。独学で写真を学び、「GINZA」や「POPEYE」といった雑誌で活躍するほか、2018年には「カロリーメイト」の広告クリエイティブに当時19歳で抜擢されるなど、異例の実績を持つ現在23歳の若手写真家の急先鋒。
「おとととい」とは、石田が子供の頃から使っている「一昨日の前の日」という意味の言葉。イノセントでどこかノスタルジックな響きのする言葉を写真集のタイトルに据えた。
石田の写真の創作手法は、日常の光景を撮り続けたスナップショットを集積させるというものが中心。本写真集では、夏帆の日常を、石田の目を通して追い続けた。ごく普通の毎日が、石田の手によって瑞々しく、ダイヤの原石のようにキラキラ輝く。
撮影は、2年間の時間をじっくりかけて。被写体・夏帆との距離がだんだんと近づいていく。旅行に行ったり、ふとした散歩の様子を撮影したり。ついには、夏帆も意識することができない、寝顔の様子をとらえるまでに。呼吸を合わせて、生活するように、空気のように絶妙の距離で撮影された写真は、撮り手と被写体の化学反応によって、思ってもないシーンを生み出し、そのときだけの特別な1枚1枚になっていった。映し出されるのは、余分なものをそぎ落とし、より純粋な存在として映し出される、ただの「夏帆」だ。
今回、解禁となった表紙と収録カット4枚はどれも、愛おしさを覚える光や刻々と移り変わる繊細な瞬間を捉え、唯一無二の魅力を放つ。言葉では表現しきれない、たった一瞬現れた夏帆の感情のゆらぎが、確かにそこには写っている。
昨年6月30日には30歳の誕生日を迎え、女優として、ひとりの女性として新たなステージへと踏み出そうとしている夏帆。
そんな夏帆が、言葉では表現し切れない心の内を″写真“で切り取った写真集を発売。
写真集発売記念イベントが、4月9日(土)SHIBYA TSUTAYA8F 特設会場にて実施された。
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イベントでは、写真集「おとととい」を購入したファンに向けたトークショーを開催。夏帆自身としては、およそ12年ぶりとなる写真集イベントとなった。本作写真集の撮影を手掛けた写真家・石田真澄氏、編集を担当した上田智子氏と共に、およそ一時間にわたってトークセッションが行われ、本作が制作されるに至ったきっかけや制作秘話、本作にかける思いなど、ここでしか聞くことのできないプレミアムな内容のイベントとなった。
マスコミ向け取材では、発売を迎えての感想をはじめ、本作のコンセプトや制作されるに至った経緯、お気に入りページについて、また昨年30代を迎えこれからの抱負などについてコメント。そして、本作を手に取る方へのメッセージなども語られた。
――写真集の発売日を迎えて今のお気持ちは?
自分にとっても大切な一冊になったので今日発売日ということでうれしい気持ちでいっぱいです。
――本作は、「夏帆さんの日常を写真家石田真澄さんが追った写真集」をコンセプトに、お二人で共に制作されたそうですが、石田さんとの出会いについてお聞かせください。また、本作はどの様にして撮影、制作されたのか教えてください。
真澄ちゃん(石田さん)と初めて出会ったのは、3年くらい前に雑誌の撮影でお会いして、その時に真澄ちゃん自体がすごく自然体で写真を撮られる方だなという印象だったんです。私自身初めましての方に撮っていただくことがすごく緊張してしまうんですよね。でも、真澄ちゃんに写真を撮っていただいた時は、初めてだったのに、構えずに自分自身もすごくフラットな状態でいられました。とにかく撮られていて楽しかったという印象がとても強く残っていて。ちょうどそのくらいの時期に写真集を作りたいなと考えていたので、これはぜひ真澄ちゃんにお願いしたいなと思って声をかけさせていただきました。
――夏帆さんが30歳を迎えられるまでの2年間撮影されたそうですが、特に思い出に残っている撮影はありますか?思い入れのある写真、ページについて教えてください。
2年半かけて実際にいろんな場所に行って、暖かいところから雪が降っている寒いところまで二人で遊びがてら旅行がてら撮影したり、日常の一コマを撮っていただく形で撮影していきました。普段の撮影の様にスタイリストさんやメイクさんなどスタッフさんにも入っていただいての撮影もありましたし、二人だけで撮ったりということもありました。いろんな思い出が詰まりすぎていて、「この時すごい楽しかった!」とか「この写真すごく好き!」と挙げるのがすごく難しいです。でも、真澄ちゃんと過ごしたこの2年半がすごく自分にとって大切な思い出になったなと思っています。
――発売を迎えられた今月は、新生活をむかえる時期ですが、この時期にまつわるご自身の思い出はありますか?
思い出すのは学生時代ですね。この時期ってクラス替えだったり入学だったり、4月ってガラッと生活が変わるじゃないですか。それがすごくドキドキしてたなという思い出があります。今日は暖かくて春の陽気で、そんなことを思いながら今日ここにきました。
――タイトル「おとととい」に因んで、発売日の「おとととい」は何をされていましたか?
だんだんと昨日何してたっけ?一昨日何してたっけ?という、自分の記憶が曖昧になってきてはいるのですが、おととといは普通に仕事をしてました(笑)。
――昨年30歳を迎えられ、これからどんな30代にしていきたいですか?
どんな30代になるんでしょうね(笑)20代の時は、それなりに悩んだりもがいたりしていたんですが、30代はとにかく楽しんだもの勝ちという感じで、常にいろんなことに好奇心を持って、楽しく健康に過ごしたいなと思っています。
――夏帆さんにとって、石田真澄さんとはどのような存在ですか?
真澄ちゃんは、私よりも7つ下で23歳なんです。こんなことを言うのはおこがましいんですが、ずっと見続けていたいなと思っています。これから真澄ちゃんがいろんな経験をしていろんな物を見て、それがどんな風に真澄ちゃんが撮る写真に影響するんだろうというのをこの先もずっと見続けていたいなと思っている方です。
――お気に入りカットについて、選んだ理由は?
ちょっととぼけた感じなんですけど、なんか好きな写真なんです。あまり普段の仕事でこういった写真が世にでることがないなというのと、不意に撮られた写真なんですけれど、自分が子供の頃もこんな顔してたなと思って、個人的にすごく好きな一枚です。
――本作をご覧になる方へ一言メッセージをお願いいたします。
撮影期間2年半、約3年かけて大切に大切に作った一冊です。今までの自分のキャリアの中でも、企画の立ち上げから仕上げまで参加させていただく機会というのはなかなかなくて、ここまで深く作品に関わらせていただいたというのは、自分の中でも大きな経験になりましたし、ぜひたくさんの方にこの本が届いてもらえるといいなと思っております。
夏帆 写真集『おとととい』
【撮影】石田真澄
【発売日】4月9日(土)
【価格】3,520円(税込)
【サイズ】A4変形
【ページ数】120ページ
【ISBN】 978-4-910528-11-3
【発行】SDP
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