映画『炎上シンデレラ』の完成披露上映会が実施。初主演の「田中芽衣」は、「口数の少ない子なので、言葉以外のところに注目してほしい」

 本作で映画初主演を飾る田中芽衣を迎え、その相手役の田代良一には話題の映画、TVドラマで活躍する飯島寛騎、そして「結婚できない男」「梅ちゃん先生」「特命係長・只野仁」など数々のヒットドラマの脚本を手がけた尾崎将也が書き下ろし、自らメガホンをとった映画「炎上シンデレラ」。

 11月4日(金)の劇場公開に先立ち、主演の田中芽衣、飯島寛騎、そして、尾崎将也監督が登壇する舞台挨拶付きの完成披露上映会が、池袋HUMAXシネマズにて開催された。
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 映画「炎上シンデレラ」(11月4日公開)の完成披露上映会が10月19日、東京・池袋HUMAXシネマズで行なわれ、主演の田中芽衣、共演の飯島寛騎、メガホンをとった尾崎将也監督が登壇した。

 本作は、初主演映画を撮影中にスキャンダルを起こして大炎上し、芸能界を追放された女優・みつほ(田中)と、彼女を主役に映画を撮りたいという妄想を抱えた映画オタクの青年・田代(飯島)の2人を通して描かれるポップでシニカルな悲喜劇となっている。

 本作で映画初主演を果たした田中は、本作がついにお披露目されることに、「まずは無事にみなさんにお披露目できるようになったのがとても嬉しく思います」と笑顔で語り、「主演で少し不安な部分もあったんですけど、キャストのみなさんと監督さんとたくさん力を合わせて素晴らしい作品になったんじゃないかなと思います」と手応えをにじませた。

 改めて、自身の役の紹介を求められた田中は「みつほちゃんは口数が少ない子なので、作品の中では表情とか目の動きなど、言葉以外のところにも注目していただければなと思います」といい、飯島は「僕はみつほよりももっと喋らない役で、映画オタクということで、好きなこと1つ貫いて、大きい夢を持って、周りにどう言われようが僕はこういうものを作っていきたいという、いい意味で現実離れしているキャラクターで、みつほとの出会いで何が生まれていくのかというところを注目してほしいです」と語った。

 また、お互いの印象を尋ねられると、飯島は「(田中は)初対面の印象は“フワッとしていて何を考えているんだろう”ってところがみつほとリンクしていました。僕はすごく楽しかったです」と答え、同じく「私も楽しかったですよ」とコメントした田中は「飯島さんとはお会いしたことがなったので検索するじゃないですか(笑)。すごくクールな方が来るのかなと思っていたら、はじめましてのときからほんわかしていて、すごく気さくで、撮影の合間とかもなんでもない話もたくさんさせていただきました」とにっこり。

 続けて、田中は「だけど、お芝居ではとても先輩なので、自分がみつほとしてわからなくなったときに、飯島さんに『どう思いますか?』って相談をさせていただいたりして、そのときはほんわかではなくてきちんと『こうだと思うよ!』って言ってくださったりしたので助かりました」と感謝し、飯島は「嬉しいです」と声を弾ませつつ、「僕はクールに立ち回っていたつもりだったんですが…」と茶目っ気を見せたが、田中は「クールではなかったです」とツッコミを入れて笑いを誘いった。

 さらに、本作はクランクイン前の綿密なリハーサル、俳優やスタッフの意見、アドリブを大胆に取り入れた脚本作り、カメラを2台同時に回す撮影手法などで新鮮な世界作りに成功しているが、田中は「今回は撮影に入る前にお稽古をする時間がありまして、監督と話す時間も長かったので、撮影自体はスムーズに、難しく悩むことなくできたんじゃないかなと思います」と打ち明け、「主演をさせていただくことが決まって不安とかプレッシャーがあったので、事前に稽古をして台本をみなさんで1回理解する時間がとても貴重で感謝しています」と吐露した。

 そのような撮影方法をとった理由について尾崎監督は「まず1つには撮影日数がそんなに長くなかったので、撮影現場で演技についてそんなに試行錯誤している余裕がないのでリハーサルをやって、俳優さんは演技についてはわかっているという状態で現場に入りたかった」と明かし、「あとはアドリブを取り入れているので、アドリブがどのくらい脚本がある部分とうまく馴染むかということが予想できなかったので、事前にやってみたいなと思いました」と説明した。

 加えて、田中と飯島と作品を作っての感想を聞かれた尾崎監督は「お2人とも演技に関しては何も言うことがないというか、さらっとやってくださいました。ただ、飯島さんはご自身と全然違うオタクという役をどうやってやるかというところはすごく工夫していただいたなと思います」と語り、これに飯島は「お話を聞いたときもそうですし、衣装合わせや実際に現場に入ってからのリハーサルなど、全工程があって“オタクってなんだろう”って考えたときに、好きなこと以外、眼中にないじゃないですけど、(好きなことを)真っ直ぐ見ている田代というキャラクターに変なものを入れたらブレちゃうなと思ったのと、(尾崎)監督を観察して“監督ってどういう姿なんだろう”っていうのは見ていました」と告白。これに尾崎監督は「試写を見た僕の知り合いが『だんだん田代が尾崎さんに見えてきた』って言っていたので、その役作りはすごく上手くいったのかなと思います」と褒めると、飯島は「すごく嬉しいです。ありがたいことです」と噛み締めた。
 最後に、見どころを聞かれると、田中は「この映画はメインの2人があまり話さないと言うところもあって(笑)、2人の空気感だったり表情をじっくり観察してほしいなと思いますし、コメディ要素も実は入っていたりするので、ぜひ楽しんで見ていただけたらなと思います」とアピールし、飯島は「もちろん僕も見てほしいですし、主人公のみつほも見てほしいんですけど、登場人物それぞれがストーリーを描いていて、見る視点や見る回数によっていろんな楽しみ方ができると思うので、そういうところにも注目して楽しんでいただけたらと思います」とオススメした。

 そして、尾崎監督が「もし面白かったらSNSで感想を書いていただけると嬉しいです。“#炎上シンデレラ”を忘れないようにしてください」とお願いすると、飯島は「僕らもどういう反応をしてくれるんだろうって楽しみで、そうなると今はSNSでしか拝見できないので、オンタイムでよろしくお願いします」と呼びかけ、田中は「(SNSで反応を)すごく見ているので、ぜひお願いします」と念を押した。

映画『炎上シンデレラ』

11月4日(金)より池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開

<ストーリー>
初主演映画を撮影中にスキャンダルを起こして大炎上、芸能界を追放された女優・みつほ。彼女を主役に映画を撮りたいという妄想を抱えた映画オタクの青年・田代。この二人の運命の出会いに割り込む小劇団を主催するいい加減な男・山倉。みつほと田代がこの劇団に入ってしまったことから物語は妙な方向へ。そして彼らに再び炎上の危機が!?

製作プロダクション・宣伝・配給:キャンター
製作:クエールフィルム
(C)クエールフィルム
公式サイト