ハードボイルド舞台『ゼロヨンヨンの終電車2023』、20名の極熱キャストで上演開始

 舞台『ゼロヨンヨンの終電車2023』の上演に先がけた最終試演(ゲネプロ)の模様が1月25日、報道陣に公開された。

 同作は、劇団6番シードの松本陽一氏が脚本・演出を担当した作品であり、2018年の初演からおよそ5年の月日を経て、新たなキャスト・演出を得て今回、上演される舞台劇である。

 リーフレットに「全100幕」のハードボイルド・ドラマという謳い文句が踊るように、映画のような構成を、数々の場面転換を取り入れながら舞台へと昇華した注目の作品だ。当時、松本氏は「新宿で必死に生きている人々の姿で、学生や教師、不良グループ、そして刑事などがぶつかりあって、終電車に向かっていく……そのエネルギーをお客さんに伝えたかった」とコメントしていたが、今回の作品はそれをより以上に感じられる、濃密な物語が紡がれていた。

 中でも、主役・貴彩花を演じた澄華あまねの真摯なまなざし、物語の鍵を握るRYU-JYを演じた真野未華の存在感、発声力が増し、同時に芝居に磨きのかかった若松愛里、黒木美紗子、平塚あみらには注目だろう。さらに前作と同じく悪徳刑事を演じる宇田川美樹は、映画『Dプロジェクト』での圧巻の“悪”を彷彿とさせるような圧倒的な存在感を放っており、本作を価値さらに高めているように感じた。

 そんな熱量の高いゲネを見て松本は、「いいゲネだったと、手ごたえを感じている」と自信のコメント。映画的な脚本を演劇的に仕上げことで、一人ひとりのキャストの魅力が「より浮かび上がった」と絶賛し、「かなりの自信作になった」と自らに太鼓判を押していた。

 以下、主なキャストのコメントを抄録します。
澄華あまね
稽古中は皆さんずっとマスクを着けていたので、今日は一人ひとりの表情が見える環境でお芝居をして、観客の方もいらっしゃって、舞台っていう感じだったなって、久しぶりの感覚を思い出して、すごく嬉しかったです。主演ですが、どちらかと言えば真ん中に立つ方ではないので、皆さんに支えられていたという感覚がしています。宝塚の先輩の松本稽古さんに付けていただいた振付を毎回、大切に踊らせてもらっています。

千歳ゆう
本当に場面展開が多くて、全員が袖で(転換を)待機しているんです。それが、作品を全員で繋いでいるなっていう感覚で、素敵な作品だなと改めて思いました。

宇田川美樹
ゲネプロを終えて20名の座組みんなが協力しあって、この「100幕劇」を作っていることが、たくさんある場面転換をきっちりとやり遂げていることが、本当に素晴らしいなって思います。このまま千秋楽まで、どんどん芝居も良くなっていくと思います。疾走感のある作品をお届けします。

舞川みやこ
この座組は助け合いの座組だなって感じていて、みんなで繋いでいっている感覚があって、誰かが間違えても絶対に誰かがカバーしてくれるっていう信頼感、身を任せられる安心感があります。前作を見てくださったお客様にも、また全然違う作品になっていると思うので、是非、足を運んでいただけたら嬉しいです。

松本稽古
今回、私が振り付けを担当しておりまして、皆さん練習中にはもう、本当ヒーヒー、汗だくになって、サウナに入ったの? っていうぐらいの感じでやっていました。まあ電車で言うと“超特急”、すごくパワフルな他では見られないシーンになっていると思います。そこも見どころの1つです。個人的には、2018 年の初演ではいい刑事役で出演していて、その時は宇田川さんに殴られて、私自身がドMなので、“すごく嬉しいです”とインタビューで答えた記憶がありますが、今回は悪に転生しまして(笑)、ドSをやれと言われて、すごくドSを楽しんでいます。この新感覚を発掘しながら、千秋楽力まで頑張りたいと思います。

國井紫苑
私はいい方の刑事の上司を演じています。2018 年の初演にも出演させていただいていて、その時はボーダーズの一員を演じていました。今回は、全然違う刑事の役をいただきまして、こんなにも難しいセリフがあるのかと思うくらい、漢字だらけの脚本を見て、一生使わないだろうなって、面白がりながら頑張っております。本当に皆さんに助けられながら100幕劇を頑張っております。ぜひ皆さん見に来てください、よろしくお願いします。

須山朱里
私もいい方の刑事を演じています。えードMなので、(宇田川)美樹さんに殴られるのがとても嬉しいです(笑)。(松本)稽古さんから引き継いで 頑張っています。劇中では、各々のキャラにそれぞれの見どころがあるので、どこ切り取っても、いい絵になりそうな、いい写真が撮れそうなシーンが続くので、ぜひぜひ見逃しのなきようにお願いします。

※場面写真は 1/26に掲載します お待ちください※

※場面写真追加しました 1/26更新※

舞台『ゼロヨンヨンの終電車2023』

2023年1月25日(水)~ 1月29日(日)まで、池袋シアターKASSAIにて上演中。全8公演

<キャスト>
澄華あまね 千歳ゆう 舞川みやこ 小見川千明 真野未華 冨永さくら 長谷川麻由 黒木美紗子 若松愛里 須山朱里 國井紫苑 もりしまりお 平塚あみ 夢咲あいり 荒井杏子 時田笑里 松本稽古 宇田川美樹

ダブル
品川ともみ(27日14:00&19:00、29日12:00)
榎あづさ(26日19:00、28日13:00&18:00、29日17:00)

<Story>
都内の女子高で働く平凡な国語教師、黄彩花は通勤途中の新宿駅ですりの現行犯として逮捕される。身に覚えのない罪を着せられた花は、衝動で新宿駅から逃げ出してしまう。

逃走した先の歌舞伎町で出会ったのは、花の過去を知る謎の男装子MISAKIだった……。

花を追う私立探偵、花の教え子である生徒達、MISAKIに復讐を誓う男装の女、そして花を追い詰める凶悪な刑事……。

様々な登場人物達が新宿という街で交差する時、物語は花の高校時代へと遡り、そして驚愕のラストへと発展する……。

すべての謎は新宿駅大江戸線、0時44分の最終電車に隠されていた…。

<スケジュール>
1月26日・木=19:00
1月27日・金=14:00・19:00
1月28日・土=13:00・18:00
1月29日・日=12:00・17:00
※ロビー開場・物販開始は60分前。客席開場は30分前 

<スタッフ>
演出・脚本:松本陽一(劇団6番シード)
企画:島崎翼
プロデューサー:美濃部慶
製作:feather stage
制作協力:Studio K’z、劇団6番シード

公式サイト
https://feather-stage.com/044_2023/