ロンドン育ちで東大中退のラッパー・ダースレイダー、新聞14紙を毎日読み比べているという時事芸人・フ?チ鹿島。ふたりが毎週動画サイトで配信している番組「ヒルカラ ナンデス(仮)」のスピンオフとして立ち上げた選挙取材企画を映画化したのがこの一作だ。監督もふたりがつとめている。
2021年の衆院選、2022年の参院選の現場に赴き、突撃取材(それは候補者だけではなく“新聞社”と名乗るところにも及ぶ)もたっぷり混ぜながら観る者を引き込む。プロデューサーは自身の監督映画『なせ?君は総理大臣になれないのか』が話題を集めた大島新が務めた。
ダースレイダーとプチ鹿島の異様なまでの息の合いっぷり(とにかくテンポがいい)に乗せられて、前半の3分の2ほど、ノリノリで見させられてしまう感じだ。男性候補だけではなく女性候補にもしっかりスポットを当てているのもいい。与党ばんざいでもないし、野党を判官びいきするところも感じられない。観る者を笑わせてくれるトークも挟みながらも、そのあたりのバランスには尋常ならざる細やかな配慮をしたのであろう。
が、残り3分の1ほど来た時に、とある事件によってグルーヴが崩れる。その夏の、関西地方の、おそろしくよどんだ空気も、容赦なくカメラは捉えている。2月18日より渋谷シネクイント、ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー。
映画『劇場版 センキョナンデス~ドキュメンタリー映画』
2月18日(土)よりロードショー!
監督・出演:ダースレイダー×プチ鹿島
配給協力:ポレポレ東中野
配給:ネツゲン
(C)「劇場版 センキョナンデス」製作委員会