心の問題を抱えた息子と、その親たちの物語。ゼレール監督の“家族三部作”第2部が日本上陸

 フロリアン・ゼレール監督が構想する“家族三部作”の第2部、『The Son/息子』が3月17日より、TOHOシネマズ シャンテほかで全国公開される。原作は、戯曲「Le Fils 息子」。前作にあたるアンソニー・ホプキンス主演作『ファーザー』は第93回アカデミー賞で主演男優賞と脚色賞を受賞したが、今回はヒュー・ジャックマンが主演と製作総指揮を務める。

 ヒュー扮するピーターは、前妻ケイトとの間に生まれたひとり息子ニコラスの父親。弁護士として忙しい毎日をニューヨークで送っていて、新妻ベスとの仲も良好だ。ニコラスはカリフォルニアでケイトと一緒に住んでいたが、心のモヤモヤは晴れず、「父親と一緒に住みたい」と、17歳の時にニューヨークにやってくる。転校の手続きも無事に済み、ピーターも息子が学校に毎日通っていると思っていたが、実は登校していなかった。

 実の親子でありながら、いわばピーターはエリート、ニコラスは半ば引きこもり。しかしニコラスは、その鬱積した気持ちを、うまく伝えることができない。また、ベスにとって、ニコラスの住みつきは、つまり「夫の前妻が生んだ子供が、突然居候を始めた」ということになる。だがピーター、ケイト、ベスはむろん大人であり、エゴを捨ててニコラスに接してゆくのだが、そこが少年のマインドにとっては、信頼にもおびやかしになった。ストーリー後半、ピーターの妄想シーンが、殊に滲みる。

映画『The Son/息子』

3月17日(金)TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー

監督:フロリアン・ゼレール
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
2022年|イギリス・フランス合作|英語|カラー|スコープサイズ|123分|原題:The Son|字幕翻訳:岩辺いずみ|
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公式サイト
https://www.theson.jp/