現代屈指のアクション俳優、チャン・ヒョクの魅力が炸裂した一作であろう。とにかく彼の動きがすごい。といっても、大声をあげたり派手に手足を動かしたりはしない。レス・イズ・モアとでもいうのだろうか、抑えに抑えた、しかし機敏の極みともいえる動きで確実に敵を捉え、ノックアウトする。そして表情は、あくまでもクール。自ら企画した作品というだけあって、自分がどうすればかっこよく光り輝くのか、熟知した上での内容であるように思えた。
彼が扮するのは、かつて最強の殺人者と恐れられていた人物・ウィガン。引退後は財テクで成功を収めていたが、ひょんなことから、友人の娘である女子高生ユンジの面倒を見ることになる。が、ユンジは誘拐されてしまう。しかも人身売買の組織に、だ。それがウィガンの心に火をつけ、アクション・マシーンと化した彼と犯人たちとの丁々発止が繰り広げられる。
ストーリーのわかりやすさと、磨き抜かれた体躯から繰り出されるウィガンの動きの双方が一体となって迫り、「勧善懲悪の快感」へといざなう。また、韓国のアイドルグループ「公園少女」の一員であるイ・ソヨンがユンジを演じているので、アジア・アイドルを追っているひとにも大いに訴える作品となっているはずだ。監督チェ・ジェフン、5月26日から全国ロードショー。
映画『THE KILLER／暗殺者』
5月26日（金）よりシネマート新宿ほか全国ロードショー
配給：クロックワークス
2022年／韓国／韓国語／シネスコ／5.1ch／95分／字幕翻訳：福留友子
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