「人生まだまだこれから、生涯青春」的なドラマ映画かなと予想してみたのだが、どちらかというとドキュメンタリー的な作品だ。アメリカのフロリダ州に実在するシニア女性だけのダンス・チームを丹念に追い、その華やかなパフォーマンスを映し出すと同時に、彼女たちの人生（その道程は決して幸せ一本やりのものではない）にも深く迫った一作だ。
明日どうなるかもわからない病と闘っている者もいれば、夫の無理解をおして踊っている者もいる。服役した経験を持つひともいる。それぞれの事情を持つオールド・レディたちが、心をひとつにして、手作りの衣装で踊り、教会、パーティ、軍の同窓会などに集まった人たちを楽しませる姿は、実にほほえましく、それと同時に、ふと考えさせてくれる。自分は70歳の時に、ここまで様々なことを乗り越えても笑顔でいられるだろうか、周りの人を楽しませることができるだろうか、と。
映画のオリジナル・タイトルは「カレンダー・ガール」。というわけで、ニール・セダカの同名ヒット曲もしっかりパフォーマンスされている。監督はマリア・ルーフヴード＆ローヴェ・マルティンセン。
映画『70歳のチア・リーダー』
6月23日（金）よりアップリンク吉祥寺にてロードショー!!