昨年来日したジョニー・デップが監督を務める一作。原作はデニス・マッキンタイアの戯曲「モディリアーニ」、ジョニーが約30年ぶりにメガホンをとることになった背景には名優アル・パチーノからの声かけがあったようだ。

タイトルが示すように、題材はイタリアに生まれ、主にフランスで活動した芸術家アメデオ・モディリアーニが物語の主役だ。個人的には「人を細長く描く」イメージが強いのだが、どこかアフリカ的な彫刻も含めて、非常に興味深いセンスの持ち主だ。35年の生涯は、ペニシリン開発前の時代であることも考えると、それほど短いとは思えず、しかも鬼才の常として波乱万丈なところもあるから、編年体の「モディリアーニ伝」にしても相当に面白いものになったはずだが、この映画で描かれる期間は「三日間」。それによってピントがぐっと絞られた印象を受ける。
自分では天才だと思っているけれど、どうにも世間の評価は思うようにはいかない。破滅型で、考えたことがすぐ口に出るタイプで手が早い。しかもユダヤ系に寄せられる偏見とも戦っている。そうした毎日の中で、モディリアーニはとにもかくにもオアシス的なものを見つけ、創作活動を加速させる。もう芸術をやめてパリからも去りたいと思っていた彼が、どん底の中で見つけた光とは。2年間交際した詩人のベアトリス・ヘイスティングス、米国のコレクターであるモーリス・ガニャとの「人間物語」としても味わいたい。モディリアーニにはリッカルド・スカマルチョが扮する。
2024年サン・セバスティアン国際映画祭上映作品。
映画『モディリアーニ!』
2026年1月16日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督:ジョニー・デップ 脚本:ジャージー・クロモウロウスキ、マリー・オルソン・クロモロウスキ 原作:戯曲「モディリアーニ(デニス・マッキンタイア)
出演:リッカルド・スカマルチョ、アントニア・デスプラ、ブリュノ・グエリ、ライアン・マクパーランド、スティーヴン・グレアム、ルイーザ・ラニエリ、アル・パチーノ
2024年/イギリス・ハンガリー/英語・フランス語・イタリア語/108分/ヨーロピアンビスタ/カラー/5.1ch/原題:Modi:Three Days on the Wing of Madness/日本語字幕:岩辺いずみ/配給:ロングライド、ノッカ 協賛:LANDNEXT、セレモニー
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