あまりにも不気味な襲撃におびえる2組のカップル！カーアクションも圧巻の古典がリバイバル上映『悪魔の追跡』

　定評ある作品のリバイバル上映は嬉しい。9月1日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで上映公開される『悪魔の追跡』は、1975年のアメリカ映画。「CGなど夢のまた夢だった時代の、スリルと勢い満点の人力演出」、「きわめてわかりやすいストーリーだと思って見ていると非常に驚くに違いない斬新なエンディング」は、今なお多くの観客の心を打ちのめすに違いないし、適度に“間”（静寂）があるセリフ回しや展開は、たとえばホラー映画をつくってみたいというアマチュアの映画スタッフにも大きな示唆を与えることになるだろう。

　『イージー★ライダー』で一躍名を知らしめたピーター・フォンダと、前年に『ガルシアの首』に登場したウォーレン・オーツが主役。俳優としても知られるジャック・スターレットが監督についた。主役の二人にはそれぞれ女性のパートナーがいて、基本的に大きなキャンピングカーに乗って4人で移動する。カルト集団の秘密の儀式を見てしまったことから、得体のしれない恐怖にさらされていく。地位のある者に助けを求めてもなしのつぶて、広大な土地を移動しても移動しても恐ろしさがつきまとう。といってもただスクリーン越しに怖がらせるだけではなく、エンタテインメントもしっかり有するカーアクションもシーンも多数。そこが炸裂すればするほど画面に恐怖シーンとのコントラストが生まれ、我々はさらにのめりこむことになる。キーワードのひとりに「テキサス州アマリロ」があるあたり、先ほど亡くなったアマリロ出身のプロレスラー、テリー・ファンクを偲びつつ見るのも一興かもしれない。