1978年以降、現在までのどこかを子供として過ごした人なら、ギンビス社のお菓子「たべっ子どうぶつ」を必ずや食べたことがあるに違いない。今では世界20か国以上で販売されているとのことだ。が、そのキャラクターがアニメになって、歌い、踊り、しゃべるとは、まったくもって予想の斜め上をいっていた。ぞうくん、らいおんくん、さるくん、かばちゃんなど様々なキャラクターが「ナニナニ科」などのカテゴリーを軽く超えて絶妙なチームワークを形成していくのだから、これは「ギンビス育ち」の親子をゴールデンウィークの映画館に向かわせるに決まっている。

ストーリーを見ると、「たべっ子どうぶつ」と、この世のすべてのおかしを排除して世界征服を狙う「わたあめぐんだん」は、いささか敵対する関係にある。そして「わたあめぐんだん」は、ぺがさすちゃん(映画オリジナルのキャラクター)を幽閉してしまう。人間同士におきかえれば派閥争いだの誘拐がらみだのになるのだろうが、そこは動物キャラなので、実にマイルドに、わかりやすく描かれていて、つまり生臭くない。ますます争いをやめようとしない世界、目をそむけたくなるようなニュース続出のこの世の中において、親しみやすい語り口でありながら人間関係(動物関係)における大切なことはしっかり伝えているという感じだ。声の出演も松田元太、水上恒司、髙石あかり、藤森慎吾など話題性に富んでいる。
映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
5月1日から全国ロードショー
原作:ギンビス
監督:竹清仁 脚本:池田テツヒロ 企画・プロデュース:須藤孝太郎 クリエイティブプロデューサー:小荒井梨湖 音楽:羽柴吟 音楽制作:TBSテレビ 音響制作:グロービジョン 音響監督:横田知加子 アニメーションプロデューサー:宇井正人 CGスーパーバイザー:堺井洋介 アートディレクター:亀井清明 ラインプロデューサー:髙橋弘樹 宣伝プロデュース:KICCORIT アニメーション制作:MARZA ANIMATION PLANET INC. 製作幹事:TBSテレビ 配給:クロックワークス TBSテレビ
(C)ギンビス (C)劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会