90歳での映画単独初主演作品『九十歳。何がめでたい』が日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞、ますます精力的な活動を続けるリヴィング・レジェンドが草笛光子である。日本のテレビ史に必ずと言っていいほど登場する伝説的番組『光子の窓』のパーソナリティとしても名を残す。その草笛光子の最新主演映画が、『アンジーのBARで逢いましょう』だ。

演じるのは、どこか謎めいた魅力を持つヒロイン、アンジー。見知らぬ街にやってきて、タイトルが示す通り、バーを開く。店内にモダン・ジャズが勢いよくかかっているところは、アンジーの青春時代とモダン・ジャズの黄金期が重なっていることを示しているのだろうか。実際、モダン・ジャズの重要人物であるマイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンは来年で生誕100年になるのだ。
アンジーに物件を貸す大家には寺尾聰が扮し、ほか、石田ひかり、ディーン・フジオカ、松田陽子、青木柚、田中偉登なども登場。いつのまにかアンジーのまわりにひとが引き寄せられて、なんともユニークなコミュニティが形成されていくのが実に面白い。監督は、大林宣彦の助監督を務めたことのある松本動。脚本は『私立探偵・濱マイク』シリーズや『十三人の刺客』などで知られる天願大介が担当した。また音楽面では、惜しくも昨年末に病没した鈴木央紹(ひさつぐ)のサックスがフィーチャーされており、改めて才人の他界が惜しくなる。
映画『アンジーのBARで逢いましょう』
4月4日(金) 新宿ピカデリー/シネスイッチ銀座 ほか全国公開
配給:NAKACHIKA PICTURES
(C)2025「アンジーのBARで逢いましょう」製作委員会
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