韓国で初めて生まれたジャイアントパンダ“フーバオ”と飼育員の心あたたまる物語。『私の親愛なるフーバオ』

 映画のタイトルに登場する“フーバオ”とは、韓国で初めて自然繁殖で生まれたパンダのこと。性別はメス、名前には「幸せを与える宝物」という意味があるという。“私”とは、その飼育員を示す。この作品はアミューズメントパーク「エバーランド」飼育員とフーバオの交流を軸に、フーバオの成長、飼育員の半生や家族、パンダの繁殖の困難さ、韓国内でのパンダの受容のしかたなどにも視野を広げて見せていくドキュメンタリーだ。

 フーバオが生まれたのは、パンデミックが激化する一方だった2020年7月20日のこと。韓国で産声をあげた最初のジャイアントパンダであるという。2016年に韓国にやってきたアイバオとローバオの自然繁殖によって生まれたそうだから、エバーランドのスタッフにとっては4年ごしの念願であったわけか。だが規則により、4歳になるとパンダを中国に返さなければいけない。パンダの4歳は人間でいえば12~14歳ぐらいらしい。中学生のときに親元や故郷から無理やり別れさせられるのだ、と考えると、パンダ本人、いや本熊も冴えないだろうなとは思う。それに飼育員も、韓国のファンも悲しい。映画の中で、飼育員はある行動に出るのだが、それはひとつの、とてもさわやかな見ものであった。

 監督はシム・ヒョンジュン、トーマス・コー。登場パンダはフーバオ、アイバオ(母)、ローバオ(父)、ルイバオとフイバオ(双子の妹)。

映画『私の親愛なるフーバオ』

4月18日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、 シネ・リーブル池袋他全国ロードショー

監督:シム・ヒョンジュン、トーマス・コー
出演:フーバオ、アイバオ、ローバオ、ルイバオ、フイバオ、カン・チョルウォン、ソン・ヨングァン
2024/韓国/韓国語/カラー/94分/映倫:G
配給:ファインフィルムズ
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公式サイト
https://fubao-movie.com/