スタジオケーズの最新舞台(2025年6月公演)は、夢麻呂が生み出したスーパーエンターテイメント作「スーパーマンガ大戦」シリーズの最新作となる「スーパーマンガ大戦 -THE NEXT-」。2017年にガールズ演劇として生まれ変わってからの3作目となるもので、今回は2025年のいまの時節ネタを多数盛り込み、物語の構成は引き継ぎつつも、まったく新しい作品に生まれ変わった注目の舞台。

作品の舞台は、もう少しデジタル化・AI化が進んだ近未来。紙の漫画誌はなくなり、すべてが電子コミックとなった時代だ。そこでは、大人気のバトル漫画「ノヴス・オルド・セクロールム」が最終回を迎えることを受け、ファイナルステージに登場するキャラクターを描く漫画家チームの募集が行われ、数多くの応募の中から選ばれたのは、人気のプロ漫画チームと、なんと女子高校の漫画研究会の部員だった……。
果たして、ファイナルバトルの行方は? というのが大枠のストーリーとなるが、今回は夢麻呂氏の筆が冴えわたるのと同時に、キャストの熱量の高さも注目点で、まさに役が憑依したかのような見事な芝居が堪能できる1時間45分となっていた。これまでの印象では、どちらかと言えば夢麻呂氏の演出するアクションが少しオーバー目に感じることもあったが、本作では皆無。どのキャストも夢麻呂氏の演出を読解し、見事に自身の体を、声を、表情を使ってパーフェクトに演じているのが見てとれた。
ついこの間は降臨していた平瀬は動きも表情も、表現も見事で、少しボケの入ったコミカルな高橋を熱演。NANA(プロ漫画チーム・リーダー)を演じた比留川は声が素晴らしく、場内に響き渡るような豊かな声量を駆使して役を操演していた。同じくNANAのTSUMUGIを演じた村瀬のキュートさには目を惹かれたし、なにやら裏がありそうなJUPITER役の桐下、同じく西園寺役 長谷川、3頭身キャラが似合いすぎの大仲、とにかくMCがすごかった沖田、場面展開のフェードインから雰囲気を創り上げた石ノ森役のもりしまりお、大正時代の雰囲気を纏った麗人・葉月を演じた濵川(平日だけの出演)などなど、個性の強い魅力的なキャラクター、そしてそれを演じ切っているキャスト陣の頑張りもあり、一瞬も目を離せない、作品となっていた。
ここでは、ゲネ後の会見でのキャストのコメントを抄録します。
●平瀬美里/高橋ルミエ 役
高橋ルミエ役の平瀬美里です。およそ1ヶ月間稽古をしてきましたけど、今日のゲネで実際に照明、音響をつけて演じてみて、1時間半ぐらいの作品とは思えないほどの疲れがドット出てきました。今、ふう~っと一息つくような感じです。だからこそ、この熱量を皆さんに感じて欲しいと思います。6月29日まで上演しておりますので、待っています。
●日和ゆず/鳥山アキコ 役
漫画と聞いて、とってもインドアな舞台ができるのかなと思っていたのですが、文化部だと思って入った部活が運動部だった時のような衝撃が、今とてもあります。スポコンだと思って、最後まで駆け抜けていきたいです。役名の元ネタの鳥山先生は同郷(愛知県)なので、よく知っています。
●比留川マイ/NANA 役
NANAエンタープライズは、プロマンガチームなので、とにかくかっこいいんです。(夢麻呂さんに)動きだったり、キャラクターをつけていただいたので、ぜひそこに着目して見てほしいです。熱量たっぷりの 1時間45分を楽しんでください!
●桐下愛未/JUPITER 役
この作品では、どのキャラクターもめちゃめちゃ立っているなってすごく感じています。続編ということで、新しいキャラもいっぱい出てきていているし、それぞれがめちゃくちゃ個性が強いので、ぜひ、推しの子を見つけて、SNSで拡散していただけたらうれしいです。よろしくお願いします。
●もりしまりお/石ノ森萌香 役
新聞部(漫画ヲタク)の部長・石ノ森萌香を演じています。今回の役を演じるにあたって、とにかくずっと緊張しています。舞台を下がって袖に行っても、帰宅しても、寝られないぐらい緊張しています。というのも、新聞部は、何もないところから場を上げていくという役回りなんですけど、それがいかに大変かというのをいま、実感しています。夢麻呂さん曰く、「ヲタク(新聞部)が一番やくたくない」ということなので、そのたいへんな役回りを、ブレずに頑張っていきたいと思います。この物語を支えるチームとして、千秋楽まで全力で取り組んでいきます。
●長谷川麻由/西園寺涼華 役
私は、前回(2022年)の「スーパーマンガ大戦MAX」にも出演させていただきましたけど、今回の台本を初めて読んだ時から、夢麻呂さん、すごく進化したもの書いたなって感じるほどの出来栄えで! 稽古でどんどん積み上がっていくのを見て、みんなすごいって感動しました。曲に合わせて動いたり、アクションもあるし、セリフを言いながらアクションしたりして、ただでさえ音と合わせるのがすごく難しい作品なんですけど、稽古の時からもう、とてもかっこいいシーンばかりに仕上がっているので、自信を持ってお届けできます。楽しみに見に来てください!
●泉水静紀/ヴィーナス 役
この作品は、スピード感とかキャラクターの造形(設定)――漫画の中の登場キャラクターだけど、自分たちは人間だと思っているとか、葛藤を持っていたり、足りない部分を反省したりする――が深堀されていて、コメディの中にも人間の心情とか、熱い・温かい気持ちがしっかりと描かれているので、それらをクライマックスできっちりとお客さんに届けられるように、熱量を持って最後まで駆け抜けたいと思います。怪我なく頑張ります。
●沖田桃果/レイン 役(&演出助手)
バトル実況をするレイン役の沖田桃果です。私も前作の「スーパーマンガ大戦MAX」(2022)に出演していまして、当時は(声の大きい)オトメンジャーを演じましたけれども、今回も声が大きいということで実況役を任されました。結局、このシリーズでは、声の大きいキャラクターしか振られないということがよく分かりました(笑)。そして、前作では描き手が2人だったのですが、本作ではどういうこと!? っていうぐらい多くなっていて、かつカラフルな衣装ですし、客席からも登場するっていう、没入型演劇みたいな感じになっていますので、お客様を巻き込みながら盛り上がって、楽しんでいただける作品になっていると思います。ぜひぜひ、最後まで応援よろしくお願いします。
●濵川明那/葉月小夏 (平日のみ) 役
平日(6/25、26、27)の葉月小夏を演じさせていただきます。変則的な出演は初めてで、しかも稽古に合流したのも最後の1週間から、ということで、不安もありましたけど、そのころにはもう、皆さんがすごいものを作ってくださっていたので、そのおかげですんなり入っていくことができました。本当にどのキャラクターも魅力的で大好きです。最後にはオチも用意されていますので、平日だけですけど、最後まで頑張りたいと思います。素敵な座組の皆さまと一緒にできて幸せです。本当にありがとうございます。休日出演のあわつまいさんも素敵な方なので、ぜひ両方の葉月を見に来てほしいです。
●大仲マリ/リボン 役
劇中には、日替わりネタがありますので、ぜひぜひ楽しみにしてください。私事ながら、(かつて)ピチピチしていた時代に、お芝居もやったことがない時代に、実は初めて見た舞台が「マンガ大戦」だったんです。なので、その当時の私からしたら、急にお芝居を始めたり、こうやってその作品の後継作に参加できるのって、本当に縁とか運命を感じています。素敵なキャストの皆さんと、本当にヒイヒイ言いながらお芝居を作れているのが、幸せでなりません。千秋楽まで怪我なく、特に私ですね、頑張りたいと思っているので、応援よろしくお願いします。
●神田緋那/手塚オサミ 役
私も2022年の「スーパーマンガ大戦MAX」で、オトメンジャーのピンクを演じさせていただきました。前回はキャラクターで、今回は描き手役ということで、2つの役柄を演じられてうれしいです。そして、これまでの可愛い役から一転、今回はクールな感じの役を演じています。動きも多い作品なので、最後まで怪我なく、全員で駆け抜けたいと思います。よろしくお願いします。
●夢麻呂(脚本・演出)
皆さん、本日は誠にありがとうございました。いかがだったでしょうか? (客席から大きな拍手) すばらしいです。(僕の創ったものを)超えてきました。毎日毎日超えてきました。ここを超えて、初日も行きます。初日を超えて2日目も行きます。ずっと行きます。最後まで皆さん、応援よろしくお願いいたします。ありがとうございました。以上です。
※ゲネの写真は後日掲載します。
※ゲネの写真追加しました(6/26)
舞台「スーパーマンガ大戦 -THE NEXT-」
<ものがたり>
ペーパレス時代、漫画雑誌も電子コミックに移行を余儀なくされ、世の中からは漫画雑誌が消え去った……。しかし、オールド漫画ファンの間で噂される「闇漫画雑誌」の存在……。
時は20XX年、大人気のバトル漫画「ノヴス・オルド・セクロールム」が間もなく最終話を迎えようとしていた。作者はAI漫画家「ジュピター」。開発した出版社「ミラクルコミックス社」は最終話に向け同作品のファイナルバトルステージに登場するファイターを描く漫画家チームを募集する企画を発表! 数多くの応募の中から選出されたのは人気漫画家NANA率いるプロ漫画家チームと、そして何故か……サクラ学園「漫画研究会」の女子高生チームだった。
AI vs プロ漫画家チーム vs 女子高漫画研究会チームが描く超人気バトル漫画の最終話!
果たして勝つのは頭脳か? テクニックか? まさかのアナログか? 新たな「コミックワールド」で繰り広げられるプライドを懸けた空前絶後の漫画バトルが再び始まる!!
2025年6月25日(水)~6月29日(日) ※全8公演
・劇場:シアター風姿花伝(東京都新宿区中落合2丁目1-10)
・開演
6月
26日・木=19:00
27日・金=14:00・19:00
28日・土=13:00・18:00
29日・日=12:00・19:00
※ロビー開場・物販開始は60分前。客席開場は30分前
<キャスト>※グループ別表記
【サクラ学園漫画研究会】
平瀬美里 日和ゆず 葉月智子 日菜森めぶき 神田緋那
【NANAコミックエンタープライズ】
比留川マイ 三姫奈々 鈴木みなよ 村瀬帆南 石田みう
【AI漫画家】
桐下愛未
【ミラクルコミックス社】
長谷川麻由 山腰美月
【漫画オタク】
もりしまりお 石井未来 仲村まひろ
【漫画キャラクター】
泉水静紀 流斗星波 大仲マリ
【バトル実況のレイン(特別出演)】
沖田桃果
【葉月小夏 (ゲスト出演)】
濵川明那(26日19:00 27日14:00/19:00)
あわつまい(28日13:00/18:00 29日12:00/17:00)
<スタッフ>
脚本・演出;夢麻呂
プロデューサー:美濃部慶
制作協力:アリスインプロジェクト
制作:スタジオケーズ
製作:舞台「スーパーマンガ大戦 -THE NEXT-」実行委員会























