第20回大阪アジアン映画祭インディフォーラム部門上映作品。ある介護施設の人間模様を描き出した力作『また逢いましょう』

 誰でも自分の源には「親」がある。その意味では、誰もが、自分の立場に照らし合わせて見てしまう一作といえるかもしれない。原案は、京都市右京区でデイケア施設「ナイスデイ」を運営する伊藤芳宏の著書「生の希望 死の輝き 人間の在り方をひも解く」(幻冬舎刊)であるそうだが、梶原阿貴の脚本は、そこに現代社会に生きる女性の視点を加えている。

 主人公は駆け出しと言っていいであろう漫画家・夏川優希(大西礼芳)。彼女の父・宏司(伊藤洋三郎)が転落事故で頸髄を損傷し、生活の自由を奪われたことが物語の中枢にある。しばらく一緒に暮らしていなかったが、あの元気で頑固者だった印象のある父が、なぜ頸髄を損傷することになったのか、その理由に優希は疑問と驚きの両方を覚え、介護施設に足しげく通いながら、利用者と職員の双方を見つめていく。利用者にはそれぞれ、さまざまな形での濃厚な人生経験があり、職員にしても紆余曲折を経てこの職業に就いた者も少なくない。「職員が利用者を励ます」展開にとどまらず、「恋のシーン」が盛り込まれているあたりも、内容を実に生き生きしたものとしている。

 監督はこれが初の劇場映画監督作となる西田宣善。大西は劇中に登場するマンガやピアノ演奏も担当している。出演はほかに中島ひろ子、田山涼成、カトウシンスケ、筒井真理子、田中要次、梅沢昌代など。

映画『また逢いましょう』

7月18日(金)より アップリンク京都、シネ・ヌーヴォ、
7月19日(土)より 新宿K’s cinema ほか全国順次公開

【出演】
大西礼芳 中島ひろ子 カトウシンスケ 伊藤洋三郎 / 加茂美穂子 田川恵美子 神村美月 / 梅沢昌代
田中要次 田山涼成 筒井真理子

【スタッフ】
製作・監督:西田宣善 脚本・アソシエイトプロデューサー:梶原阿貴 原案:伊藤芳宏「生の希望 死の輝き 人間の在り方をひも解く」(幻冬舎刊) 音楽:鈴木治行 撮影監督:藍河兼一 美術:竹内公一、竹内悦子 録音:廣木邦人、荒木祥貴 編集:藤田和延 監督補:鈴木農史 製作:ジュリア オムロ 配給:渋谷プロダクション 宣伝:MAP
2025年 カラー 91分
(C)Julia /Omuro

公式サイト
https://mataaimasho.com/