映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』、禁断の「悪魔祓いの儀式」に取り組む修道女。“説明のつかない何か”が静かにうごめく

 「悪魔祓い」をこれでもかと堪能できる一作だ。脚本・監督はいかに悪魔祓いの過程をディテールたっぷりに描くべきか考えに考え抜き、役者たちはいかにリアリティを感じさせる悪魔祓いを届けるのかに腐心したのではないか。とにかくこの悪魔祓いシーンが圧巻である。

 物語の核となるのは原因不明の発作に苦しむヒジュン、“黒い修道女”ことシスター・ユニア、さらにパク神父。ユニアはヒジュンのことが気がかりでならない。なんの療法も効果をもたらさないからだ。担当医は「複数の精神疾患が重なったのだろう」というが、ユニアには納得がいかず、自己流で悪魔祓いを始める。本来なら叙階を受けていない修道女による儀式は、教義で厳禁されているのだが、目の前にはのたうちまわる者がいるのだ。一か八かやってみるしかないではないか。ということでユニアはタブーを破っていくのだが、「禁断の扉を開けるべきではなかったのか」、「禁断の扉を開けてよかったのか」、それは観客の間でも意見が分かれるところだろう。「だからこうなのだ」と提示するのではなく、どこか宙ぶらりん、見る者の意志が多めに介在するスペースをとっておく。それも観終えたあとの、ぞっとするような恐怖につながっているような気がする私だ。

 韓国は国民の3割がクリスチャンであるともきく。その辺りの事情も頭の片隅において見てみたい。出演はソン・ヘギョ、チョン・ヨビン、イ・ジヌク、ムン・ウジンほか。監督はクォン・ヒョクチュ、脚本:キム・ウジン、オ・ヒョジン。

映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』

2026年1月30日(金) シネマート新宿 ほか 全国ロードショー

監督:クォン・ヒョクチュ
脚本:キム・ウジン、オ・ヒョジン
撮影:チェ・チャンミン
音楽:キム・テソン
出演:ソン・ヘギョ、チョン・ヨビン、イ・ジヌク、ムン・ウジン
2025年|韓国|115分|ヨーロピアンビスタ|5.1ch|英題:DARK NUNS|字幕翻訳:石井絹香|映倫:G
配給:クロックワークス
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