1948年の、いわゆる「済州島四・三事件」を題材にした一作。不勉強にして私はこの出来事を知らなかったので、事前に調べてから見た。まず思い出したのは私の故郷である道北(北海道北部)のことだ。敗戦してしまったことによりソビエト領になるかもしれないという話がとんでもないリアリティを持っていた、と、幼い私は古老から聞いたことがある。

「済州島四・三事件」は、済州島の一部島民が武装蜂起したことに端を発したという。なぜ地元の人間が蜂起しなければならなかったのか。それにもある程度の予習をしておくと鑑賞にいっそうコクが出る。どの国に支配されていたかという歴史も含めて、だ。それにしても、海岸線から5キロ以上離れた地域を敵性区域とみなし、出入りする者は無条件に射殺すると布告したのは政府である。権力が村民をおびやかす。
だから村民は生き延びるために村を離れて移動せざるを得ず……ところから本編のすごさが増してゆく。書くのがつらい描写もあるので私は書かないことにするが、今、この時期に、この映画を観るということは、痛みや切なさを伴いながらの深い体験となることは断言できる。監督はハ・ミョンミ、主人公アジンはキム・ヒャンギ(『神と共に』、『無垢なる証人』)。ロケは全編済州島で行われたという。「四・三事件」のその日、4月3日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開予定。
映画『済州島四・三事件 ハラン』
4月3日(金)ポレポレ東中野ほか全国順次公開
出演:キム・ヒャンギ、キム・ミンチェ、ソ・ヨンジュ、キム・ウォンジュン
脚本・監督:ハ・ミョンミ プロデューサー:ヤン・ヨンヒ 撮影:オム・ヘジョン 音楽:キム・ジヘ 音響:ムン・チョルウ 編集:イ・ヨンジョン 照明:シン・テソプ 美術:キム・ジンチョル 配給:シネマスコーレ、MYSTERY PICTURES
2025年|韓国|韓国語|カラー|119分|シネスコ|5.1ch|
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