生きづらさを抱えた女性たちはその思いを昇華できるのか? 門脇麦&水原希子共演の映画『あのこは貴族』が2月26日公開

 山内マリコの同名原作をもとにした映画『あのこは貴族』が、2月26日(金)から全国公開される。対照的なライフスタイルをもつ二人の女性がひょんなことから出会い、インスピレーションを与えあいながら、次のステップへ向かっていく様子が鮮やかに描かれた作品だ。

 監督は、初のオリジナル長編作品『グッド・ストライプス』で新藤兼人賞金賞を受賞した岨手由貴子。音楽は、キップ・ハンラハンやデイヴィッド・シルヴィアンとも交流する渡邊琢磨が担当。

 門脇麦ふんする華子は、東京に生まれ育った筋金入りのお嬢様。何でもまわりのひとたちがやってくれて、自分はただその中心にボーッといるような感じで大人になった。水原希子ふんする美紀は、地方から上京し、自力でパワフルに毎日を過ごしている。

 結婚することが至高の幸せなのだろうと強く信じてきた華子の心が大きく揺らいだのは、20代後半になったとき。共に過ごす未来を考えていた恋人に振られてしまったことがきっかけだ。しかし彼女の結婚至上主義は変わらず、お婿探しの結果、ハンサムで毛並みの良い弁護士の幸一郎と出会う。この幸一郎が、本来、出会いそうにもなかった華子と美紀を結びつけることになる。美紀は東京の名門大学への試験に合格したけれど、学費が続かず、夜の世界で働くものの、けっきょく中退。その大学の同期生が、幸一郎だったのだ。

 華子は幸一郎との結婚を真剣に考えている。いっぽう美紀にとって幸一郎は友人のひとり。とはいえ、中退後も会っているのだから、恋愛感情ではないにしても良い印象を持っているのは明らか。それが華子には面白くない。最初にふたりが顔を合わせたとき、華子はあきらかに沸騰寸前だった。その「この、泥棒猫!」的誤解に起因する怒りが、いかに友情(シスターフッド)へと変わっていくか。映画では、その過程がじっくり描き出される。

 超多忙なスケジュール上、門脇・水原の共演シーンはわずか2日間ですべて収録されたという。プロ、恐るべしとの感を強くした。

映画『あのこは貴族』

2月26日(金)全国公開

<キャスト>
門脇麦 水原希子 高良健吾 石橋静河 山下リオ 佐戸井けん太 篠原ゆき子 石橋けい 山中崇 高橋ひとみ 津嘉山正種 銀粉蝶

<スタッフ>
監督・脚本:岨手由貴子
原作:山内マリコ「あのこは貴族」(集英社文庫刊)
配給:東京テアトル/バンダイナムコアーツ
(C)山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

公式サイト https://anokohakizoku-movie.com/