「宮本すずよ」、2度のコロナ延期を乗り越え、会心作『東京の夜』発売記念ワンマンを遂に開催。歌、ダンス、MCでエンターテイナーとしての本領を発揮

 コロナ禍による2度の延期を経て、ついにこの日がやってきた。

 歌手、作詞家・作曲家、ヴォーカル・コーチ、ショウガール、役者、ナイトクラブのママ(新宿ゴールデン街「Happy」)と多彩な顔を持つ“エンターテイメント・シンガー”、宮本すずよが4月5日(月)、渋谷・クラブクアトロにてワンマンライブ「NEW SENSATION 2021 #1」を、選りすぐりのダンサーやミュージシャンを迎えて盛大に開催した。

 18歳の時にJ-POPユニットのヴォーカリストとしてデビュー。ジャズ、ロック、ゴスペル、ポップスなど幅広く音楽を愛し、吸収し、真のエンターテイメントを日本に根づかせたいと奮闘していた彼女にとって大きなターニング・ポイントとなったのは、ZAZOU(クレイジーケンバンドの前身)、スパニッシュ・コネクション、キッド・クレオール&ココナッツ等を手掛けた重鎮プロデューサー、吉永蒔丹との出会いだった。2020年4月発表の『東京の夜』では吉永がミュージシャン一切のチョイスも担当、日本屈指のファンキー・ギタリストである星川薫をはじめとする凄腕たちが宮本のヴォーカルをサポートした。そのリリース・ライブが、発売1年後の先日、ついに行なわれたわけである。

 バンド・メンバーは、星川、大山泰輝、佐野聡、河合徹三、春名正治、江口信夫という強者たち。佐野はトロンボーン、フルート、リコーダー、ハーモニカ、春名はテナー・サックス、ソプラノ・サックス、フルート、パーカッションを使い分けるので、楽器の音色の響きというかハーモニーのバリエーションが尋常ではない。そして主役の宮本すずよの歌声は緩急に富み、繊細なところは思いっきり繊細に、シャウトするところは喉も燃えよとばかりにシャウトする。

 ダンサーのyuriBarbie、慎太郎、森紫OSCAL、パール(秋元はるな)も光り輝く「オール・ザット・ジャズ」やスティーヴィー・ワンダー「ドント・ユー・ウォリー・バウト・ア・シング」、さらにカロ・エメラルド「ザット・マン」、ベット・ミドラー「ホエン・ア・マン・ラヴズ・ア・ウーマン」、アリシア・キーズ「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」とカヴァー曲を並べても彼女のテイストが伝わるはずだが、“なるほど、これはすごい”と心底、唸らされたのは「Birthday Song」「始発電車を見送って」「Snack」「FOLLOW ME」(アイク&ティナ・ターナーで有名な「PROUD MARY」とのマッシュアップ)、アンコールの「皐月」「東京の夜」と続いたオリジナル・ソングの部分。声は曲数を重ねるごとにパワーを増し、深い表現力は視線や指先のひとつひとつにまで漲っていた。観客やメンバーにだけではなく、照明やPAやバーカウンターのスタッフにも丁寧に感謝を述べ、この夜をこれ以上ないほどの笑顔でしめくくった宮本すずよ。彼女の持つ活気、華やかさに魅了される層が今後、さらに増してゆくことは明らかだ。

 なお、このライヴは4月12日(月)の23時59分までアーカイブで視聴できる(https://www.cheer-supports.com/event/20210405/

Photo by kanon

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