「九州女子翼」メンバー「新谷香苗」の卒業セレモニーが挙行。「女子翼に入って、ライブの楽しさを存分に味わうことができました」

 九州発のガールズグループ 九州女子翼のメンバー、新谷香苗(しんがい かなえ)の卒業イベント「新谷香苗卒業セレモニー」が4月11日(日)、福岡のベイサイドライブホール BY ACTIVE HAKATAにて行なわれた。

2017年12月撮影

 前日の10日にも同会場で、これまで九州女子翼が月一で開催してきた定期公演の最後の5人ver(九州女子翼定期公演第三十六片~新谷香苗ラスト定期公演)も二部構成で開かれたが、正真正銘、5人編成でのライブを含めたステージは、本日が最後となる。

 まずは、新谷香苗卒業セレモニーの前半、そのまんま卒業セレモニーの模様を紹介したい。およそ40分押しで始まったセレモニーは、スタッフ・メンバーからの送辞と、それを受けての新谷本人からの答辞という形で進行。セレモニー自体も延長し、およそ1時間のイベントとなった(前半のみで)。

 トップバッターは、スタッフの岩本将治氏だ。「努力に勝る天才なし」という言葉を挙げ、本気で努力してきた香苗の姿勢をたたえつつ、女子翼の活動で手にしたものを胸に、これからの人生を歩んでほしい、というエールを贈った。

 続いては、グループのサウンドプロデューサーであり、歌唱稽古も担当する筑田浩志氏だ。2018年10月27日に東京で開催した「筑田フェス」では、たいへんなことになっていたが、本日は拍子抜けするぐらいノーマルモードで登壇。歌割も筑田氏の担当だそうで、稽古中の彼女の歌声を聞いて、デビュー曲でもある「TAKE WING」のサビの中の重要パートを、それもソロで任せた、というエピソードを披露。その時の頑張りをこれからの人生でも活かしていってほしい、とコメントしていた。

 と、ここでサプライズプレゼントコーナーへ。ファン有志による大きな旗サイズの寄せ書き、関係者・メンバーの寄せ書き、そして女子翼の女性ファンによるアルバムの3点セットが、メンバーから手渡されていた。

 続いては、ITRの社長でもある吉田格氏からの送辞だ。九州女子翼プロジェクトのはじまりの頃を思い出しながら、メンバーオーディションに応募してきた新谷香苗の姿、存在感を目にして、「グループの可能性を確実に感じた」という。それほど新谷のグループに対する本気度は高く、ITRの標ぼうする「一所懸命さ」を体現する姿に、感銘を受けたそうだ。かつ、自分だけでなくメンバーのことにも気を配れるその心にも支えられ、グループがここまで成長することができた、と最大限の感謝を言葉にしていた。筆者はこれまで、いくつかのアイドル(メンバー)の卒業を見送ってきた吉田氏を取材してきたが、ここまで心が震えている姿を目にしたのは初めてかもしれない。それほど新谷の存在というものは、九州女子翼にとって、ITRにとって、大きかったということなのであろう。

 続いてはメンバーからの送辞だ。トップバッターは鈴川瑠菜。新谷の神対応にファンとなり、現場(ライブ)に通い、そこで社長にスカウトされてメンバーになったというエピソードとともに、新谷の歌割を引き継いだことで改めて感じた新谷の歌声の魅力。その魅力を自分なりに昇華させて歌っていく、と力強く誓っていた。

 詩絵里は、新谷の根っからのアイドル性(異次元と表現「笑」)と天性の歌声に感嘆したエピソードを披露し、ともに九州女子翼で過ごした時間を「幸せ」「最高」と語り、今後の進路についても「応援している」とまとめていた。

 山本愛理(愛理プロ)は、グループの中では(新谷と)一番仲良くなったそうで、オーディションでの初見時の印象を「アイドルオーラがすごかった」と語り、新谷のダンスと歌の出来栄え(素晴らしさ)に「(私も)もっと頑張らないといけない」と、奮起したそう。そして新谷卒業後の九州女子翼を「守るね」「もっと大きなグループにするね」と誓っていた。

 最後は実玖。実は、新谷が卒業の報告をして一番気にかけていたのが実玖のことだったそで、当時は「大丈夫なのかな?」(新谷)と心配していたそうだが、4人編成でのステージを見て、それが杞憂だったことに思いに至ったそう。そんな状況の中、当の実玖は「心を一番許せる存在」「いつも一緒にいるメンバー」だった新谷の卒業を聞いて、周囲には無理……という言葉も漏らしていたそうだが、新谷への(実玖からの)質問に大きく頷いてくれたことが、実玖にとって「前を向く力をくれた」のだという。筆者の目から見ても、2014年11月、I’S9(アイズナイン)に新メンバーとして加入した当時と比べると、各段に強くなったと思う。

 ここで、メンバー4人(実玖、愛理、詩絵里、瑠菜)から、新谷を贈る曲として「ありがとう~無限のエール~」が披露される。間奏では、各自より新谷へ贈る言葉も述べられた。

 それを受けての新谷からの答辞は立派なもので、きちんと自分を持って、意志を持って、九州女子翼の活動に勤しんできたことが理解できるものであった。女子翼に入ったことで、自分で考えることを、自分から行動することの大切さを学び、実行することで、それまでに感じえなかった「ライブの楽しさ」を味わうことができたのだという。苦労もたくさんあったと思うが、「(女子翼の活動では)それほどなかった」と思えるほど充実していたそうだ。そして「(自身がなりたかった)アイドル像に近づけた気がした」という。「ファンとの楽しい思い出がたくさん作れた」という。卒業発表から8カ月、コロナ禍によって延長を重ねてきたが、ようやく直接ファンヘ感謝の言葉を伝えられる機会を得、「女子翼の新谷を最後に届けることができて、うれしい。大好きです。ありがとう」と、大きな笑顔を見せてくれた。

 最後は、5人編成での定期公演オリジナル曲「ギュッと手を繋いで」を賑やかに披露して前半は終了だ。
(※ラストライブの模様は後編に続く)

新谷香苗からのラストメッセージ
https://ameblo.jp/kgw-kanae/entry-12668025486.html
https://itr-kgw.com/2021/04/12/shingaikanae-2/

九州女子翼 https://twitter.com/ITR_KGW
実玖 https://twitter.com/itr_miku
新谷香苗 https://twitter.com/itr_kanae
山本愛理 https://twitter.com/itr_airi
詩絵里 https://twitter.com/itr_shieri
鈴川瑠菜 https://twitter.com/itr_luna