世界6都市の市井の人々の日常を切り取った、エッセイ集のような映画『場所はいつも旅先だった』が公開

 まだまだ終わらぬコロナ禍のため、おいそれとは海外に行けない毎日が続いてもう2年になろうとしている。この映画を見ていると一種の清涼剤がスッと体に溶け込んでいくような気持にいざなわれる。

 「暮しの手帖」元編集長でクリエイティブディレクター、エッセイストの松浦弥太郎の監督作品が、この『場所はいつも旅先だった』である。題名は2011年出版のエッセイ集と同じだが、内容はこの映画のためのオリジナル。カメラが彼の目になって、サンフランシスコ(アメリカ)、シギリア(スリランカ)、マルセイユ(フランス)、メルボルン(オーストラリア)、台北・台南(台湾)の日常へと見る者を案内する。

 夜明けの風景の美しさ、国や年齢や性別を超えて共通する人々の笑顔にこちらも微笑まずにいられなくなり、皿やコップから放たれる音がこんなに甘くて優しいものだったのかと認識させられる。力を抜いて、全身で没入できる作品だ。10月29日から東京・渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次先行公開。

映画『場所はいつも旅先だった』

10月29日(金)より渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開

監督:松浦弥太郎
企画・製作・配給:ポルトレ
2021年/日本/78分/カラー/16:9/DCP
(C)Mercury Inspired Films LLP

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