トレンディはハピネスを運ぶ! カップル4組が幸せをつかむまでの年末1週間を題材にした力作『ニューイヤー・ブルース』

 笑顔の拡がる作品は良いなあ、恋するひとたちの生き生きした表情は良いなあと思い、なんともいえずトレンディな街角の風景や登場人物の動きに、「いまの日本に圧倒的に足りないのはこれなんじゃないか」と思わずにはいられなかった。とにかく元気があって楽しそうなのだ。ウジウジしてないのだ。意に沿わないことがあってもグダグダ言わず打開に向けて行動するのだ。監督はホン・ジヨン、脚本はコ・ミョンジュとハン・ヒョンギョン。

 描かれている期間はクリスマス・シーズンからハッピー・ニュー・イヤーまで。登場するのは、「アルゼンチンでひとり暮らすワイン配達員の男性と、失意のままアルゼンチンにやってきた元スキー場勤務の女性」、「離婚経験のあるベテラン刑事と、離婚訴訟中のリハビリトレーナー」、「旅行会社の代表を務める男性と、中国からやってきた女性(プラス、強烈なキャラクターを持つ男性の姉)」、「パラスノーボードの男性選手と、園芸師」、という4組。いろんなアクシデントを乗り越え、愛を成就させたふたりの先にあるのは、最高の年末と、もっと最高になるであろう新年しかないという、観ていて思わず登場人物に「おめでとう」と声をかけたくなるような内容である。

 だのになぜタイトルの『ニューイヤー・ブルース』に、“憂鬱”という意味を持つブルースという単語が入っているのか。そのへんもまた物語のミソというべきところで、観ていただければ「ああ、なるほど」という気分になるはずだ。

 元スキー場勤務の女性を演じるイ・ヨニ(元アイドル・グループ“スーパーガールズ(日本の同名グループとは無関係)”)の笑顔やダンスもすごくいい。

映画『ニューイヤー・ブルース』

12月10日(金)シネマート新宿ほか順次公開

監督:ホン・ジヨン
脚本:コ・ミョンジュ、ハン・ヒョンギョン
撮影:オ・スンチョル
編集:シン・ミンギョン
音楽:イ・ジス
出演:キム・ガンウ、ユ・インナ、ユ・ヨンソク、イ・ヨニ、イ・ドンフィ、チェン・ドゥーリン、ヨム・ヘラン、チェ・スヨン、ユ・テオ、イェ・スジョン、イ・ジュンヒョク、チョ・ハンチョル、アン・セハ、ソン・サンウン

2021年/韓国/114分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/日本語字幕:朴澤蓉子
英題:NEW YEAR BLUES/レイティング:G
配給:クロックワークス

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