映画『この街と私』が公開。映画初主演の上原実矩は、ポスターを見て公開を実感。「ぽ思った以上にポップな仕上がりになっている」と笑顔

 バラエティ番組を作るために制作会社に入社したのに、深夜に街の良さを紹介する番組「この街と私」を担当している23歳のADの葛藤を描く映画『この街と私』は、監督・脚本・編集を務めた永井和男の実話を元にした成長物語。

 地域発信型映画として東京都葛飾区を舞台に制作された本作は、メインキャスト全てがオーディションからキャスティングされ、300名以上の応募の中から主人公・美希役に、21年に第22回TAMA NEW WAVEコンペティションでベスト女優賞を受賞し話題の上原実矩が選ばれた。美希の彼氏・翔也役を演じた、佐野弘樹(『浜の朝日のうそつきどもと』)は、本作が準グランプリを受賞した第5回賢島映画祭で助演男優賞を受賞。ディレクター・中山役を宮田佳典が、プロデューサー・寺本役を伊藤慶徳が演じる。

 劇中のテレビ番組「この街と私」には、実際の葛飾観光大使でもあるLiLiCoと、芸人の大西ライオンが本人役で登場する他、美希の憧れの芸人として天竺鼠の川原克己、インタビューを買って出る客役で、ですよ。、居酒屋で遭遇する芸人役で大溝清人(バッドボーイズ)ら数々の芸人たちが本人役で登場する。

 3月4日に初日舞台挨拶を開催し、本作で映画初主演の上原実矩は、初主演作公開の初日の想いを、川原克己(天竺鼠)と永井和男監督は、監督のAD時代に、実際に本作と同じようにエレベーターで川原と遭遇した時の話などを語った。
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 この日が初主演映画の初日舞台挨拶となった上原は、「映画館に来て、自分の顔が大きく写っているポスターを初めて見て、改めて実感しています。元々沖縄国際映画祭が目標で作った作品なので、こうして劇場で公開してくださっていることに驚いています。」と挨拶。

 本作のオーディションのことを聞かれた上原が、「実際(本作の舞台である)葛飾でオーディションしたことが印象に残っています。あと、オーディション会場に布団が敷いてありましたね」と言うと、川原が「怪しい!」と一言。上原は、慌てて、「全然怪しくなくて、(同棲している彼氏の)翔也とのシーンをやった」と説明した。監督は、オーディションで生で芝居を見て、上原の「肩の力が抜けていて良かった」とのこと。上原は、主演が決まったという連絡は、マネージャーさんから電話で聞き、「決まったと同時にすぐリハーサルして撮影をした」とのことで、初主演と実感する余裕はなかったそう。

 監督は、「僕が実際昔ADだったので、その時の話を盛り込んだのと、本作は葛飾の地域発信映画という企画だったので、葛飾を(ロケハンで)回る中で、実際に起きた出来事などを映画にした」とのことで、上原は、「監督の実体験で、ロケハンをしていく中でこの脚本が生まれたという話を聞いていたので、その体験をした人が側にいたというのが大きかったです。」と話した。

 上原は完成した作品を見た感想を聞かれ、「思った以上にポップな仕上がりでした。自分の中ではもう少し湿度が高いのかと思っていたんですけれど、お笑い芸人の方が出てくださったので、面白さがあるなと思いました。」と答えた。

 監督が、「僕がADをやっていた時に、エレベーターに入ったら、たまたま川原さんがいらっしゃって、二人っきりになったんですよ。それをそのままこの映画にしたんですけど、その時のことって覚えてますか?」と聞くと、川原は、「覚えてますよー。あれは4階だったかな。昨日のことのように覚えています。いつか映画化しないかなと思ってました。本当に嬉しいです。」とジョークを飛ばし、会場は笑いの渦に。

 川原は、ただ主人公がエレベーターで川原に遭遇するという1シーンの出演だったが、川原は「『監督、もう一回やらしてくれ』と。まだ納得行っていない。演技は難しい。『自分のままでいいですから』と言われたら、『自分って何なのか、俺は何者なんだ』ともう一回考え直すんです。」と真剣な顔でジョークを言い、「僕はほぼ主演ですけれど」とまで言うと、会場は大爆笑! 「いやー大変でしたよ、自分役というのは。まだ役が抜けていない状態です。」と話した。川原が「もう1回見てもらいましょうか? 4倍速で」とお馴染みのジョークを言うと、川原ファンの監督はすかさず、「2で割り切れますね!」と乗り、会場からはクスクス笑いが。

 川原は、ADが主人公の作品は「聞いたことがない」とのことで、ADとのエピソードを聞かれると、「めちゃくちゃ怖がられて誰もしゃべってこないんです。芸人さんも話しかけてこないですけれど、裏方さんは特に話しかけてこない。テレビに出た時にディレクターさんに、『一緒に仕事をしたかったんです。ADの時に声かけられませんでした』と言われる。」と裏話を披露した。

 監督が「僕が川原さんのファンだというのを投影して、主人公も川原さんのファンという設定にした」と話すと、上原は「ごめんなさい、当時私は…」と言葉を濁し、川原がすかさず「知らなかったんやな」とツッコむ場面も。上原は、「みなさんに天竺鼠さんのどこが好きかを聞いても、『ここが』ではなく、『とにかく神なんです』と、『存在が』ということだったんで、『存在が神』と思いながら演じました」と話した。

 最後に上原が、「皆さんに愛してもらえるような作品になればいいなと思います」とメッセージを送り、初日舞台挨拶は終了した。

映画『この街と私』

【あらすじ】
ADをしている23歳の村田美希(上原実矩)は、お笑いの番組が作りたくて制作会社に入ったが、深夜に街の良さを紹介する関東のローカル番組『この街と私』の担当として休みなく働いている。彼氏の翔也(佐野弘樹)と同棲している部屋には寝に帰っている状況で、彼氏の話もろくに聞けていない。ある日、お笑いの特番に企画を出したものの、一蹴されてしまった美希だが、『この街と私』の街頭インタビューを初めて一人で任せられる。撮ってきた素材を見たディレクターに、「使えない」と言われた美希は…

上原実矩
佐野弘樹 宮田佳典 伊藤慶徳 LiLiCo 川原克己(天竺鼠) ですよ。 大西ライオン 大溝清人(バッドボーイズ)

監督・脚本・編集:永井和男
撮影・照明:小林健太 録音・整音:杉本崇志 ヘアメイク:河村夏海 衣装:新関陽香 音楽:山城ショウゴ 助監督:磯部鉄平/藤村明世 制作プロデューサー:源田泰章 プロデューサー:覚野公一/佐藤達朗/内山玲奈
主題歌:Bray me「オリジナルソングのような人生を」
協力:東京都葛飾区
制作:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
配給:アルミード
2019年/日本/カラー/16:9/43分
(C)2019地域発信型映画「この街と私」製作委員会

公式サイト