恋をするのは素晴らしい! トレンディ風味もあるハッピー・ムービー『僕と彼女のファースト・ハグ』が中国から上陸

 公開されるやいなや8.5億元(約150億円)の収益を上げたという中国の人気映画が、ついに日本上陸だ。

 コメディアンのチャン・ユエンが監督・脚本・主演を担当。まったくタイプの違う人間同士が心を通わせていく様子が、コミカルなシーンの連続の中に、実に暖かな眼差しをもって描かれる。しかも往年のトレンディドラマを思わせるキラキラした感触もあり、コロナ禍以降とくに顕著になっているような淀んだ空気を吹き飛ばすようなパワーすら感じられる。友人を持つことの素晴らしさ、恋をすることの素晴らしさ、外的要因から快い刺激を受けることによって生まれる自身の成長、などなど、ポジティヴな要素がカラフルな画面に映える。

 チャン・ユエンが扮する“バオ・バオ”は音楽院でピアノを教えているが、三国一の変わり者で超潔癖症。ちょっとでも乱れた物を見ると整頓したくなり、デジタル時計が命の次ぐらいに大事で秒単位の行動をしている。人とボディコンタクトするのは、「人には雑菌がある」と両親に教えられてきたせいで、できないし、そもそも恋をしたことがない。

 いっぽうヒロインの“ウェンヌワン”(リー・チン扮する)は基本的にその場が楽しければいいというタイプだが、ポップ・ソング作りの才能に富み(この才能が物語のひとつの核となる)、相当に苦しい恋も経験してきた。普通ならまず出会うこともないようなふたりが不思議なきっかけで知り合い、あとは流れるように、笑いをたっぷり含みつつ進行する。ウェンヌワンのファッションセンス、部屋の中の小物(アメリカの人気シンガーソングライター、ラナ・デル・レイのアルバム・ジャケットも飾られている。ウェンヌワンは彼女に憧れている設定なのだろう)にも目が行く。5月6日から新宿武蔵野館ほかで公開。

映画『僕と彼女のファースト・ハグ』

5月6日(金) 新宿武蔵野館 ほか 順次公開

出演:チャン・ユエン、リー・チン、シェン・トン、チャオ・シャン、マー・リー、アイ・ルン
監督・脚本:チャン・ユエン
配給:クロックワークス
2020年|中国|カラー|シネマスコープ|5.1ch|112分|原題:温暖的抱抱|英題:WARM HUG|字幕翻訳:長夏実|G
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