谷崎潤一郎原案『鍵』&江戸川乱歩原案『人でなしの恋』、2作品合同初日舞台挨拶開催

 谷崎潤一郎『鍵』、江戸川乱歩『人でなしの恋』を原案とした2本の長編映画が、6月25日(土)より池袋HUMAXシネマズで同日公開した。

 両作品は主人公が配偶者を奪われるという“NTR(寝取られ)”を共通点にしたストーリーで展開されていく。公開初日の6月25日(土)18:30から池袋 HUMAXシネマズシネマ1にて『鍵』出演の水澤紳吾、水石亜飛夢、秋谷百音。『人でなしの恋』出演の兎丸愛美、細田善彦、渋江譲二、そして両作品の監督をつとめました井上博貴監督が登壇する2作品合同初日舞台挨拶が開催された。
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 映画『鍵』『人でなしの恋』2作品合同初日舞台挨拶が6月25日、東京・池袋 HUMAXシネマズで行われ、『鍵』に出演した水澤紳吾、水石亜飛夢、秋谷百音、『人でなしの恋』に出演した兎丸愛美、細田善彦、渋江譲二、両作品でメガホンをとった井上博貴監督が登壇した。

 両作品は、谷崎潤一郎『鍵』、江戸川乱歩『人でなしの恋』を原案とした2本の長編映画で、主人公が配偶者を奪われるという“NTR(寝取られ)”を共通点にしたストーリーで展開されていく。

 なぜ同2作品を今の時代に映像化しようと思ったのか尋ねられた井上監督は「きっかけは“NTR、寝取られ”がキーワードになるような日本文学、平たくいうと不倫とかを題材とした原作を見つけて、それを現代版にできないかとプロデューサーの方からご提案いただいて、一緒に探して、この 2作を選びました」と説明。

 『鍵』で中年の大学教授・神田直己役を演じる水澤は、最初に台本を読んだ際の感想を求められると「“えっ?『鍵』をやるの?”みたいな。錚々たる諸先輩方がやっていたので、すごく緊張しましたけど、脚本を読んでとても面白いアレンジだと思いました。最初に脚本を読んだときにいろんなやり方があるなと思ったんですけど、最初に監督と読み合わせをさせていただいたときに、神田が右往左往する様子がユーモラスに映るようにというところを目指してやりました」と打ち明け、「世界観がレトロ」と声が飛ぶと「レトロっていうのは自分の顔の問題じゃないですか」とコメントして笑わせた。

 また、撮影現場の雰囲気を聞かれると、木村正也役を演じる水石は「(水澤と)一緒にふざけていただいたシーンがあって、お酒を交換するシーンがあったんですけど、あのシーンは台本にはなくて、水澤さんがアドリブで、僕も決めないでめちゃくちゃお酒を注いだりしてふざけ合えたのが楽しかったですね」と回顧し、水澤は「(撮影が)タイトだったのであまりコミュニケーションとかが取れなかったんですけど、お芝居の空間はとても楽しませていただきました」と笑顔を見せた。

 同じ質問に、三原敏子役を演じる秋谷は「私は役柄的に(自分以外の登場人物) 3人をひたすら冷静に、嫌な目をしながら見るという役だったので、撮影現場でもみなさんのことを冷静に見ていた気がします(笑)」と笑い、「“仲良くなっていくなあ”、“いいなあ”って気持ちで見ていたんですけど、それはそれで敏子の疎外感というか、一歩引いて俯瞰で見ている感じを実感できたので楽しかったですね」と声を弾ませた。

 一方、『人でなしの恋』で門野京子役を演じる兎丸は、最初に台本を読んだ際の感想を聞かれると「まず“寝取られ”がテーマという話だけを聞いて“寝取られとは?”ってところから始まったんですけど、実際に台本を読んでみて“あっ、すごい扉を叩いてしまった”っていう印象が強かったですね(笑)」と当時の心境を吐露し、「京子さんはかわいそうというか、2人の男性に振り回されてしまうので、そこはかわいそうだなって思いながら演じさせていただきました」と打ち明けた。

 これに、京子の夫・門野慧役を演じる細田は「三者三様の秘め事をお互いが探り合っていたので、撮影期間は楽しかったですね」と声を弾ませ、影のある役をどのように表現したのか追求されると「前髪を伸ばしました(笑)。ミステリアスだったり、儚げだったりということを監督に何度も言われていたんですけど、前髪でその雰囲気を出せたらなと思いました」と明かした。

 探偵の野村健太郎役を演じる渋江は役作りについて聞かれると「細田さんがミステリアスな役をやられていたので、そことギャップがあればいいなと思っていました」といい、現場の雰囲気については「よかったですし、兎丸さんはこう見えて明るいので」と打ち明けると、細田は「でも完全に僕に対しては全然明るくないんですよ」と不服な様子。これに兎丸は「そんなことないです!」と否定しつつ、「細田さんはやっぱり緊張しちゃうので(笑)。小さい頃から見ていたので」と吐露した。

 さらに、“寝取られ”という特殊な癖(へき)を描いた本作にちなみ、癖とまではいかないまでも“ニッチな趣味”を持っているか質問されると、細田は「犬を飼っているんですけど、犬の足の匂いが好きなんです」と告白し、細田から質問を振られた水澤は「ゴムの匂いがめっちゃ好きで、工事現場とかにゴム板が敷いてあるじゃないですか。あれがすごく好きでかじりたくなるんですよね!」と大興奮。

 渋江は「“寝取られ”ってことなんですけど、わからないでもないなって。自分のコンプレックスだったり、いろんなところからくるんだろうなとは思うんですけど、“寝取られ”はAVでも常に人気ジャンルなんですね。AVのサイトで連載をしているんですけど、そういうちょっとしたフェチってあると思うんですよ。ここにもそういう願望をお持ちの方がいらっしゃると思うんですよ。でもそれが実際にできないというのがあるんですよね」と熱く語り、これを聞いた兎丸は「私は好きな体型があって、お腹が出ている男性が好きなんですよね。お父さんみたいな体型がすごく好きで、仲のいい人のお腹を触らせてもらったりしています」と微笑んだ。

 続けて、秋谷は「そういった意味で言うと、手から腕にかけての肉感を見るのがすごく好きなんですけど、薄い肩とか、丸みを帯びた肉厚な肩とかの骨と肉の感じを見るのが好きです。変な話をしていますね」と照れ笑いを浮かべ、隣にいる兎丸がノースリーブで腕を出していることを指摘されると「ずーっと見ています!」と目を輝かせ、兎丸は「怖いです…」と肩を震わせた。

 そして、水石は「イケメンを見るのが好きですね。顔の輪郭とか横顔とか、イケメンのそういうところを見ると“いい線してるぜ!”ってなります。あとバンドマンって細い方が多いじゃないですか。僕は生まれながらに骨がしっかりしているので、ヒョロヒョロな男性を見るのが好きですね」と答え、自身もイケメンだと声をかけられると「ありがとうございます」と嬉しそうな表情を浮かべた。最後に、井上監督は「自分と同じくらいの目線に女性が来ると変な気持ちになりますね」とコメントし、頬を緩ませた。

映画『鍵』 『人でなしの恋』

6月25日(土)より池袋 HUMAXシネマズにて公開

<『鍵』あらすじ>
中年の大学教授である神田は、年の離れた妻の郁子を性的に満足させられないことに悩んでいた。ある日、義妹の敏子に紹介した自身の教え子で大学院生の木村に対して郁子が色目を使う姿を目の当たりにし、かつてない性的興奮を覚える。そんな興奮を自身の精力剤代わりに活用しようとあの手この手で『妻』と『教え子』が接近する状況を仕掛けていく。そして興奮レベルを更新しないと満足できなくなった神田の行動はアブノーマルにエスカレートしていく。

<『人でなしの恋』あらすじ>
失恋し落ち込んでいた京子はマッチングアプリで門野と出会い、お互い惹かれあって結婚する。美青年で優しい門野との生活に幸せを感じる京子だったが、ほどなくして、夫が自分以外の誰かを愛しているのでと疑惑の念に駆られ、探偵の野村を雇い、必死に真相を追っていく。しかし京子が門野の本当の姿を知ろうとすればする程、謎の中で彷徨っていく。そして真相に辿り着き、目の当たりにしたものは想像を超えた衝撃的な光景だった。

<『鍵』クレジット>
水澤紳吾 桝田幸希 水石亜飛夢 秋谷百音 
監督・脚本:井上博貴
製作・配給:BBB
制作プロダクション:パロマプロモーション
(C)2022BBB

<『人でなしの恋』ビリング>
兎丸愛美 細田善彦 渋江譲二
上野なつひ 織田美織
監督・脚本:井上博貴
製作・配給: BBB
制作プロダクション:パロマプロモーション
(C)2022BBB

公式HP
https://bungou-ntr.com